リクルートは、建設業界のデジタル化に関する求人や転職の動向について調査した。調査結果によると、2023年の建設業界のデジタル化関連求人は、2018年比で5.52倍に達した。
リクルートは2024年3月26日、建設業界のデジタル化に関する求人や転職の動向についての調査結果を発表した。
調査は、転職エージェントサービス「リクルートエージェント」2023年12月〜2024年2月の求人データをもとにしている。
分析結果によると、2023年の建設業界でのITエンジニアの求人数が2018年比で3.09倍、2023年のITやインターネット業界での建設テックの求人数が同7.80倍に達した。両者を合計すると5.52倍となる。
建設業界に転職したエンジニアからは、「デジタル化が遅れているため変革の余地に魅力を感じる」「市場規模が非常に大きく価値を実感できる」「建設業界では全体感を把握できる」といった声が挙がっている。
求人数の伸びが大きい建設テックでは、測量、調査、施工管理、計画、設計、維持管理などでの課題に向けたサービスが複数誕生している。建設業界で施工管理を担っていた者が、建設テック企業に事業開発やカスタマーサクセスといった職種で転職するケースも増加しているという。
その他、運転者の作業位置のナビゲートや一部作業の自動化機能を備えた「ICT建設機械」の求人も増加している。ICT建設機械導入によって作業員の負担軽減、生産性向上による工期短縮などが期待され、国土交通省もICT建設機械の導入を進めていることから関連求人が増えつつある。建設機械関連求人で、これまでは同業界出身者に加え、自動車業界出身者が転職を実現するケースが一般的だったが、ICT化の流れを受けてカーナビ製造やデジタルカメラ製造などの映像関連業界出身者が採用対象となることも増えている。
一方で、ICT建設機械導入にあたっては費用が高額となるケースが多く、コスト面での課題もある。
建設業界でデジタル化がうまくいかないケースの要因は、デジタル戦略と現場の現状が乖離している、現場に電波が届きにくくネットワーク接続できない、BIMで設計したが施主から紙での図面を要求されるといった点を挙げた。
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