本連載では、総合人材サービス会社で建設業向けの人材サービスを展開するヒューマンリソシアが、独自に調査した建設業における人材動向を定期レポートとしてお届けする。建設業従事者の人材動向に関する実態を解明し、建設業各社の採用・定着に向けた戦略を考えるうえで少しでもお役に立てれば幸いである。今回は、建設技術者と建設技能工の人材需給動向をリサーチした。
今回は、厚生労働省「一般職業紹介状況 」と「労働経済動向調査」を基礎資料に、建設技術者と建設技能工の人材需給動向を分析した。
■本レポートの要旨
・建設技術者/技能工の有効求人倍率は上昇傾向が続く
・求人数が増え続けている一方、求職者は10年間で半減するなど、人材採用は厳しさが増す
・労働者過不足DIも上昇しており、今後についても人材確保が困難な状況が続くと予測される
建設・土木・測量技術者(建設技術者)の2022年度平均の有効求人倍率は、6.53倍となった。主要職業の中で、保安の職業(6.80倍)に次いで2番目に高く、他職種と比較しても、人材需給が逼迫(ひっぱく)している状態にあると分かる。また、建設・採掘の職業(建設技能工)も、5.71倍と3番目に高い結果となった(図表1)。
建設技術者/建設技能工の有効求人倍率の推移をみると、2020年度はコロナ禍の影響などもあり、やや低下しているものの、過去10年間は上昇傾向が続いており、建設技術者と建設技能工の需給は年々逼迫度が高まっている(図表2)。
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