国土交通省は、公共建築物の木造化促進に向け、「木造計画・設計基準及び同資料」を改定した。中層以上の建築物の木造化にも対応した合理的な設計手法などを追加したほか、計画段階での考慮事項を規定した。
国土交通省は2024年3月25日、官庁施設を木造化する際に、施設の計画段階および設計段階で考慮すべき基本事項や標準的な手法などを定めた「木造計画・設計基準及び同資料」を改定した。中層以上の建築物の木造化にも対応した合理的な設計手法などを追加した他、「計画」の章を新設し、計画段階での考慮事項を規定した。適用は2024年4月1日から。
今回の改定は、「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律(通称:都市(まち)の木造化推進法)」の2021年の改正で新たに決定された基本方針によるものとなる。方針の中で、これまで積極的に木造化を促進する公共建築物に含まれていなかった耐火建築物や中層以上の建築物も含め、国が整備する公共建築物は原則、全て木造化する対象とした。
主な改正ポイントとしては、中層以上の建築物の木造化にも対応した合理的な設計手法等を追加した点だ。防耐火規定や混構造に関する記載、図表や屋根、外壁、床、接合部など各建築部位の設計に関する記載を拡充した。
新たに「計画」の章も新設し、計画段階での考慮事項を規定した。木の良さを実感できる機会を提供すること、コスト/技術面で合理的な手法を検討しつつ木造化を検討することなどを盛り込んだ。さらに施設の立地や特性などに応じた対火災、対水害、耐久性などの性能の確保するとともに、木材調達の実情などを踏まえた適切な施設整備期間の確保などを加えた。
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