戸田建設、ZMP、三菱電機ビルソリューションズなど5社は、都内の宿泊研修施設で役割が異なる3台のロボットの群管理と、人のエレベーター同乗連携に関する複合実証実験を行った。
戸田建設は2024年3月21日、綜合警備保障(ALSOK)、オカムラ、ZMP、三菱電機ビルソリューションズとともに、東京都江東区の宿泊研修施設「Lstay&grow南砂町」で、役割が異なるロボットの群管理と人のエレベーター同乗連携(クラウド方式)に関する複合実証実験を行ったと発表した。
ロボットの群管理では、宅配や警備、案内の用途が異なるサービスロボット3台がZMPのロボット管理プラットフォーム「ROBO-HI(ロボハイ)」と連携し、通路や交差点を衝突することなく走行した。ロボットのエレベーター使用時は、ROBO-HIを通じて三菱電機のロボット移動支援サービス「Ville-feuille(ヴィルフィーユ)」と連携し、順番に乗り降りを行った。エレベーターのゴンドラ内では、ウェーブガイドLANシステムから供給されるWi-Fi環境を通じロボットを制御した。実証では併せて、ALSOK開発のドローンを活用した屋内警備も実施した。
今回の実証実験は、ロボットと人間が共生する「ロボットフレンドリーな環境」の実現を目指して実施した。
これまで建物内で複数のロボットと人が共存するためには、さまざまな課題があった。複数のロボットが同じ通路や交差点を通行する場合やエレベーターを使用する場合のルールはなく、建物全体で複数ロボットの位置情報を一元化して把握、管理するユースケースも存在しなかった。また、エレベーターのかご内には電波が届かないためロボットを制御することが難しかった。
こうした課題の解決に向けて、ロボットフレンドリー施設推進機構(RFA)が推進するロボット群管理の通信仕様規格化に先行して、シナリオを想定して実証実験を行った。戸田建設は今後も、RFA参画企業として通信規格の標準化に取り組み、同社がビジョンとして掲げるロボットと人の最適な共生空間を創造する「ロボットフレンドリービルディングデザイン」構築に向けた取り組みを進める。
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