鴻池組は、2025年に開催する「大阪・関西万博」の工事現場で、四足歩行ロボットの活用に向けた実証実験を開始した。ロボットに工事現場を走行させ、遠隔操作や通信環境などを確認している。
鴻池組は、2025年に開催を予定している大阪・関西万博の小催事場工事現場で、四足歩行ロボットの実証実験を開始したと2024年2月に発表した。
実験では、Unitree Robotics(ユニツリー・ロボティクス)製の四足歩行ロボット「Unitree B1」を機体ベースとし、新たに命名したロボットシステム「KOCoRo/心」を用いる。
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Unitree B1は、高い運動性能と耐環境性能を有し、不整地や20センチまでの段差や階段を走行し、建設現場に存在する多くの走行上の障害を乗り越えられる。IP68防水を有し、動作温度は-5℃〜45℃で、1年を通して運用が期待される。制御ソフトを開発できるロボットのため、ポケット・クエリーズのiPadアプリ「iVoRi XR ロボット連携オプション」を介してUnitree B1を制御している。
KOCoRo/心は、事務所からの遠隔操作に加えて、特定のルートの自動走行にも対応する。360度映像のリアルタイム配信機能を有するAndroidアプリ「Nossa360(ノッササンロクマル)」で、iPad ProのLiDARスキャナーを用いた適切な距離を確保した遠隔操作、複数人への360度動画のリアルタイム配信や音声の共有ができる。
ロボットの遠隔操作に要する通信環境を構築すべく、メッシュWi-Fi構成用のAP(アクセスポイント)を現場に配置した。APは、防水性を有するPicoCELAが提供するWi-Fi「PCWL-0510」を使い、Wi-Fi環境を現場全体に整備した。電波が届かない場所が生じた場合は、APの個数や位置を変えることで応じる。
今後、KOCoRo/心のさらなる改善を図り、工事現場で積極的に活用する計画を明らかにしている。
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