ZISEDAIの建築プラン生成AIシステム「TASUKI TECH TOUCH&PLAN」は、新機能で天空率にも対応し、物件情報を生成AIに与えるだけで、条件の異なる複数の建築プランを作成できるようになった。
不動産テック企業のZISEDAIは2024年2月、建築プラン生成AIシステム「TASUKI TECH(タスキテック)TOUCH&PLAN」で、天空率に対応する機能を追加した。
TASUKI TECH TOUCH&PLANは、データベース化された土地情報を基に、PCやスマートフォン、タブレットから、その土地にどのくらいの大きさや住戸数、フロア面積の建物が建築可能かをシミュレーションできる生成AIを活用したプラットフォーム。不動産デベロッパーが用地仕入や物件取得を検討する際に、必ず発生する建築ボリュームプランの作図を効率化することで、業務が効率化し、投資判断までの時間短縮による競争力強化に貢献する。
建築プラン作成は、物件情報管理サービス「TASUKI TECH LAND」に物件情報を登録してあれば、スマホの地図上で計画地をタッチすると、生成AIエンジンとなる「Volume Check Engine」が敷地情報や建築規制情報を自動取得。隣地境界条件や建物高さを設定し、「ボリュームチェック」ボタンをクリックするだけで、複数パターンの建築プランが生成される。プランは、1フロアあたりの面積を抑えて階数を積み上げる「高層プラン」と、1フロアあたりの面積を最大限拡張する「低層プラン」の2パターンを表示する。
独自の用途地域データベースをもとにしているため、天空率だけでなく、用途地域や斜線制限など、建築法規に準拠したプランの作成が可能だ。
また、単身者向けの建物を検討する場合、建物規模に応じてワンルーム条例の最低専有面積、ファミリー戸数の割合もチェックする(東京23区のみ)。
従来の建築ボリュームプランは、建築士が手作業で作成していたため、投資判断の時間やコストがかかる点が課題だった。建物プランの作成を外注した際は、リードタイムが10日前後必要かつ、1件あたり数万円の費用を要していたが、生成AIで即座にプラン作成が実現し、大幅な業務効率化とコストカットが見込める。
同社は今後、自社グループ内にて同システムの有用性を確認した後、不動産デベロッパーや仲介業者向けに提供を開始する計画を立てている。
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