LIXILの「ビル用防火戸」80万セットで認定不適合、設置対象は約3万8400棟産業動向

LIXILは2026年3月31日、2016年11月以降に出荷したビル用「防火戸」の計94認定で、国土交通大臣認定書と異なる仕様の製品を販売していたと明らかにした。不適合の防火扉は2016年以降に約80万セットが出荷され、設置された建築物は全国で約3万8400棟に上る。

» 2026年04月01日 20時00分 公開
[BUILT]

 国土交通省は2026年3月31日、LIXILが製造/出荷した一部の防火設備(防火戸)で、国土交通大臣認定の仕様に適合しない製品が含まれていたと発表した。国交省はLIXILに対して迅速な是正措置などを講じるよう指示した。

 LIXILも同日に経緯や今後の対応を公表し、新たな認定を取得するまでの間、2026年4月1日から対象製品の出荷を一時停止している。

対象は約3万8400棟、80万セット超の「ビル用防火戸」

 不適合が判明したのは、主に非木造建築物向けのビル用防火戸。2016年11月1日から2026年3月31日までに出荷された製品で、計94の大臣認定に及び、販売数量は約80万6400セット、対象となる建築物は全国で約3万8400棟にも上る。

 製品シリーズとしては、「PRO-SE・BFG」「PRESEA-S」「RX-60/80」「E-SHAPE」「MLシリーズ」などが含まれる(参照:LIXLIが2026年3月31日に公表した「対象製品 詳細リスト」)。

該当製品確認方法。製品ごとのラベル貼り付け位置を参照し、「大臣認定防火ラベル」「ブランドラベル」を確認 該当製品確認方法。製品ごとのラベル貼り付け位置を参照し、「大臣認定防火ラベル」「ブランドラベル」を確認 出典:LIXIL重要なお知らせ

原因は旧ビル部門の管理体制と点検プロセスでの見落とし

 発端は、ガラスメーカーからの「ガラス部の防火認定仕様(複層ガラス封止材の材質)に相違がある」との報告だった。その後、LIXILが自社製品の認定仕様を自主点検した結果、サッシ部にも仕様の違いがあることが判明した。

 LIXILの発表によると、主な原因は2019年9月以前の旧ビル部門での管理体制と点検プロセスにあるという。当時は開発担当者による自己点検が中心だったため、審査品質にばらつきが生じ、認定書と製品仕様を照合する点検工程が網羅的でなかったことなどが複合的に重なり、相違点を発見できなかったとしている。

不適合の内容(例)。大臣認定仕様に記載されていない「形状」 不適合の内容(例)。大臣認定仕様に記載されていない「形状」 出典:国土交通省プレスリリース
大臣認定仕様に記載されていない「仕様条件」 大臣認定仕様に記載されていない「仕様条件」 出典:国土交通省プレスリリース
大臣認定仕様に記載されていない「材質」 大臣認定仕様に記載されていない「材質」 出典:国土交通省プレスリリース
大臣認定仕様には製造許容差範囲が記載されていないが、製造許容差を含めた大臣認定仕様に記載されていない「寸法」 大臣認定仕様には製造許容差範囲が記載されていないが、製造許容差を含めた大臣認定仕様に記載されていない「寸法」 出典:国土交通省プレスリリース
大臣認定仕様に記載されていない「部品数」 大臣認定仕様に記載されていない「部品数」 出典:国土交通省プレスリリース

 仕様不適合があったものの、指定性能評価機関の日本建築総合試験所による審査の結果、建築基準法で定められた防火性能を満たしており、安全上の支障はないことが確認されている。

 現在は正式に是正するため、本来の仕様に基づき新たな大臣認定の取得手続きを進めている。早期取得を目指しているが、完了までの期間、受注済み含め、対象製品の出荷を一時停止する措置をとった。

 LIXILは国交省からの指導を受け、相談窓口として専用のフリーダイヤル「LIXILビル防火認定番号対応窓口」を開設した(TEL:0120-300-491、メールアドレス:birunintei@lixil.com)。住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住まいるダイヤル」でも、マンションなどの防火設備に限り、消費者相談を受け付けている。

 再発防止策としてLIXILは2019年10月以降、住宅部門の厳格な品質管理基準をビル部門にも適用し、業務プロセスと教育体制を刷新。問題のあった業務プロセスでは、点検や審査の方法、役割、責任を明確化した規定を制定するとともに、標準書やマニュアル類を整備し、作業手順の標準化を図っている。さらに、指定性能評価機関での試験体点検や保管の実施、共通フォーマットによる事前相談体制を構築し、設計変更時の不備や齟齬(そご)を未然に防ぐ仕組みで運用している。

 また、防火申請業務の担当者を対象とした独自の社内資格制度を導入。1年ごとの更新教育を義務付け、最新の知識を維持する体制を整備した。

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