建機遠隔操作の通信ロス防ぐ、IIJ子会社がデータ取得率99%の新サービス発表(1/3 ページ)

インターネットイニシアティブ子会社のネットチャートは、IoT環境で確実なデータ取得を可能にするエッジゲートウェイサービス「P3EG」の提供を開始した。実証実験でデータ取得率99%を達成し、データの欠損がほぼない。建機の遠隔操作の高度化や古いビル設備のデータ統合などで活用が見込まれる。

» 2026年04月03日 17時35分 公開
[川本鉄馬BUILT]

 「P3EG(Profile Programmable Proxy Edge computing Gateway)」は、IoT環境でローカルネットワーク内の機器とクラウドにあるサーバ間の接続や通信環境を改善するエッジゲートウェイサービスだ。実証実験でデータ取得率99%を達成し、インターネットイニシアティブ(IIJ)100%子会社のネットチャートが開発し、2026年2月24日に発売した。

 このところ政府や企業で、IoTデバイスが取得したデータを単なる記録にとどまらず、「収益や戦略的価値を生む資産(ナレッジ)」と捉える考えが広がりつつある。建設や不動産の分野でも、建物の維持管理や建設現場の自動化などで、oTデータの重要性はますます高まっている。

 ネットチャートのP3EGは、こうした用途向けに、稼働率ではなくデータ取得率を保証する「データSLA」を実現し、IoT環境での確実なデータ通信と最適化を可能にする。ネットチャート調べ(2026年2月24日現在)で、データSLAを担保するIoTサービスは業界初だという。

 他に、サーバが求める形式に取得データを変換する機能、クラウドからローカルネットワーク内のエッジデバイスを制御する機能も備える。多様なプロトコルが使われるセンサーやデバイスにも柔軟に対応する。

通信が成功するまでデータを再送し、送信データは7日間保持

 旧来のIoT環境では、IoTセンサーが取得したデータがサーバに確実に届くとは限らなかった。IoTゲートウェイ側でデータが破棄されることがあるためだ。その点、P3EGは確実にデータを保管・再送する。

P3EGでは、サーバが応答しないなどのトラブルが発生しても、成功するまでデータ送信を繰り返す。従来のIoTゲートウェイでは再送機能が不十分でデータを破棄することがあったが、P3EGならそうした心配は無用だ。さらに、再送信データを標準で7日間保持し、たとえ電源が失われてもデータを初期化せず、一度取得したデータを強力に守り抜く。

 データ通信のエビデンスも、特許出願中の機能「データSLA(Service Level Agreement)」で確保する。通信の成功・失敗を問わず、データ通信の全ログを保存するため、万が一データ通信が失敗しても原因をたどれる。データの取得率や通信履歴を管理し、システム全体の健全性もチェックする。データSLAにより、IoT環境におけるデータの信頼性が飛躍的に高まる。

 ネットチャートでは現在、全P3EGのログを取得してサーバ上で一元管理し、ログからエッジ環境の状態を分析する中央監視システム「Conductor(コンダクター)」も開発中だ。

 Conductorを導入すれば、サーバサイドからIoTロケーションごとの状態を容易に把握できるようになる。特定のIoT環境下で、他のロケーションとかけ離れたデータが発信された場合には、センサーやネットワークの不具合などを検知でき、将来はAIを活用した設備の予兆管理なども可能になる見込みだ。

通信が成功するまで送信を繰り返す、P3EGのデータ欠損防止策 通信が成功するまで送信を繰り返す、P3EGのデータ欠損防止策 提供:ネットチャート
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