国土地理院は2026年4月1日から、建物や道路に高さ情報を付加した「3次元電子国土基本図」を提供する。従来の2次元地図では困難だった精緻な都市計画の立案や防災シミュレーション、ドローンの飛行ルート検討が可能になり、建設DXを強力に後押しする。
国土地理院は2026年4月1日、全国の地図を3次元化しデジタル社会に貢献する取り組みとして、「3次元電子国土基本図」の提供を開始する。建設業界でも、街づくりや防災などで需要が高まる3Dデータのインフラ整備がいよいよ本格化する。
電子国土基本図は、日本全域をカバーするさまざまな地図の基礎となるデータ。これまで国土地理院は2次元の地図情報として提供してきたが、新たに「建物」「道路(道路中心線)」「鉄道(軌道の中心線)」に高さ情報を持たせ、3次元データを提供することとなった。
建物のデータは、従来の2次元データ(数値地図/国土基本情報)を拡張し、建物上面に3次元点群データを基にした複数高さ情報(標高)を属性として追加。道路や鉄道は、中心線を構成する各点が平面位置に高さを加えた座標を持つ。
3次元化により、道路や鉄道、建物の高さで上下関係が分かるなど、従来の2次元地図では困難だった高度な空間的把握が可能になる。そのため、高さを考慮した精緻な防災シミュレーションや周辺景観をイメージした街づくり、さらには建設現場でも利用が広がるドローンの安全な飛行ルート検討など、多岐にわたる用途での利活用が期待される。
国土地理院は、令和10(2028)年度末までの全国整備を目標に掲げる。第一弾として、2026年4月1日から、北海道、山形県、静岡県、京都府、兵庫県、島根県、宮崎県の一部地域のデータを公開する。
データの価格は、1面(2次メッシュ単位、2万5000分の1の地形図1面相当)あたり483円(税込み)に設定し、日本地図センターのWebサイトから購入できる。3次元データは、既にある「数値地図(国土基本情報)」の2次元データに高さ情報を付加する形で提供。製品内には従来の2次元データに加え、3次元データも格納する仕組みで、3次元データの有無によって価格の差は生じない。
今後もデータ整備と提供の準備が整い次第、3Dデータ化のエリアを拡大する方針だ。建設業界のDXやi-Construction 2.0の推進に向け、国が提供する信頼性の高い3次元基盤データは、新たな事業の創出や建設プロセスを変革する有益な情報となり得る。
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