横河ブリッジは、国土交通省九州地方整備局発注の橋梁建設工事に、マスバランス方式でCO2排出量を100%削減した「グリーンスチール」を使用する。横河ブリッジによれば、国内橋梁業界でのグリーンスチールの採用は初めてだという。
横河ブリッジは2024年2月22日、国土交通省九州地方整備局発注の「福岡201号新朝倉橋(上り線)外上部工工事」で建設する2カ所の橋梁(きょうりょう)に、マスバランス方式でCO2排出量を100%削減した「グリーンスチール」を使用すると発表した。
同工事の入札は総合評価落札方式で行われた。技術提案のテーマに「カーボンニュートラルの実現」が設定され、横河ブリッジは「グリーンスチールの使用」を提案して落札した。横河ブリッジによれば、国内橋梁業界でのグリーンスチールの採用は初めてだという。
今回の工事では、福岡県内に「新朝倉橋」(橋長58メートル、最大支間長56.6メートル、支承4基)と、「鏡山跨線橋」(橋長54.5メートル、最大支間長53.1メートル、支承4基)を建設する。いずれも鋼単純鋼床版箱桁橋(はこげたきょう)で、架設工法はトラッククレーン工法。
新朝倉橋には神戸製鋼所製、鏡山跨線橋には日本製鉄製のグリーンスチールをそれぞれ使用する。マスバランス方式を適用したグリーンスチールは、各メーカーが実施した温室効果ガス削減プロジェクトの削減量を組織内でプールし、任意の製品に割り当ててして証書と共に供給する。この鋼材を購入して使用することで、購入者は自社のスコープ3排出量を低減可能だ。
横河ブリッジは、今回のグリーンスチール使用を契機に、原材料の製造工程のCO2排出量についても、関係先と連携し削減していく。
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