Liberawareは、インフラ構造物やプラント設備など屋内狭小空間の点検に特化した、機体サイズ20センチの小型ドローン「IBIS2」を開発した。
産業向け小型ドローンの開発を手掛けるLiberaware(リベラウェア)は「第5回 橋梁・トンネル技術展」(会期:2023年11月8〜10日、幕張メッセ)で、屋内狭小空間の点検に特化した小型ドローン「IBIS2(アイビスツー)」を紹介した。ダクトや配管内部、天井空間などの狭く暗い、粉塵(ふんじん)が舞うような過酷な環境下での点検業務の効率化、安全性向上に寄与する。
社会インフラやプラント設備の老朽化が進む中、人手不足や維持管理上昇を背景に、点検業務の効率化や省力化が求められている。そこでLiberawareは2023年6月、これまで人が立ち入ることが難しかった狭い場所、危険が伴う場所の内部状況も短時間で安全に把握できる小型ドローンのIBIS2をリリースした。
IBIS2の機体は外形寸法194×198.5×58ミリと産業用途のドローンとしては最小クラス。30センチ角の点検口への進入や、直径50センチの配管内の点検にも対応できる。重さも243グラム(機体:150グラム、バッテリー:93グラム)と軽量で、墜落時に墜落時に点検設備や機体の損傷リスクを低減する。
ペイロード(最大積載量)は40グラムで、最大積載時には9分、荷物なしの状態で11分の飛行が可能だ。最大飛行可能風速は毎秒3メートル。
動作可能温度はマイナス5℃〜60℃で、人が入れない高温環境でも点検作業ができる。機体には独自開発した粉じん構造モータを搭載し、防水防塵性能はIP51相当。高感度のイメージセンサーや自然光に近い色のライトなどを搭載し、暗闇や粉じん環境でも点検箇所を鮮明に撮影できるという。画角は垂直80.1度、水平131.0度、対角143.9度で、解像度は1920×1080。
また、独自の飛行制御システムやラウンドフォルムにより、壁面との衝突リスクが想定される入り組んだ場所でも安定した飛行で最深部まで進入可能。機体が上下反転しても亀のように起き上がり再離陸できる「タートルモード」を搭載、残置リスクを軽減する。
Liberawareが提供する小型ドローン点検は、大手化学メーカーやプラント設備保守業者などで導入実績がある。
サービスの提供形態は、一時利用向けの「点検サービスプラン」と、定期点検など長期用途の「導入プラン(レンタル、販売)」の2種類を用意。点検サービスプランでは、Liberaware認定ドローンパイロットを現場に派遣し、ドローンで点検箇所を撮影して動画で納品する。要望に応じて3Dモデルの生成、報告書の作成も請け負う。
導入プランでは、点検ドローン2機と備品一式をセットで販売、もしくは年間レンタルする。ドローンの講習会や、機体が破損しても無償で修理、交換するサービスも提供。ドローンで撮影した映像データを画像処理(SfM)し、点群データ、3D画像(フォトグラメトリ)、オルソ画像を生成するサービスもオプションで提供する。
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