第一カッター興業、ウオータージェット工法の防護服を開発 高い耐切創性能で背中側までカバー：製品動向

第一カッター興業とナカヒロは、ウオータージェット工法向けのオリジナル防護服を開発した。高い耐切創性能で背中側まで作業者の身体を守り、現場事故を防止する。

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　第一カッター興業は2024年2月20日、ユニフォーム製造／販売のナカヒロとともに、ウオータージェット用のオリジナル防護服を共同開発したと発表した。防護服の生地にはナカヒロが開発した「高強力織物P-TEX（ピーテックス）」を採用し、耐切創性能を向上させることで、ウオータージェット作業の安全性と快適性を高める。

共同開発したウオータージェット用防護服　出典：第一カッター興業プレスリリース

耐切創性能で飛散物から身体を保護、背中側までカバー

　防護服の生地に採用したP-TEXは、高強度の有機系繊維ポリアリレートを主に組成された織物で、軽量で動きやすく、火や熱に強い。他素材と比べても高い耐切創性能を有し、飛散したコンクリート片などから身体を守る。

一般的な防護服で使われる素材「P-アラミド」との比較試験（湿潤耐久性比較）　出典：第一カッター興業プレスリリース

一般的な防護服で使われる素材「P-アラミド」との各数値比較　出典：第一カッター興業プレスリリース

　今回開発した防護服は、ポリアリレート生地を8層重ね（8層目にはPVCコーティング）、超高圧水が身体に噴射した場合でも一定時間、人体に影響を及ぼすことなく保護できる。また、現行のウォータージェット保護具／防護服では不十分とされる背中側も前面とともにカバーする。

ウオータージェット作業　出典：第一カッター興業プレスリリース

　ウオータージェット工法は、非常に高い圧力をかけた水を小口径のノズルから噴射し対象物を破壊する手法で、インフラ構造物の汚れやサビの除去などで利用されている。振動や騒音を抑えられる他、鉄骨を傷付けずに施工できるなど構造物への影響も少ない工法だが、誤って人体に向けて噴出すると大事故につながる危険性がある。

　第一カッター興業とナカヒロは今後、新防護服を標準的な安全基準として、協力業者を含め、採用を進める。作業従事者が快適かつ安全／安心に作業ができるようカスタマイズも随時実施していく予定だ。

ウオータージェット工法の概要　出典：第一カッター興業プレスリリース