積水ハウスとフクビ化学工業、エスエスピーの3社は、複合素材のために、廃棄処理が困難とされる「塩ビクロス」に新たな価値を与えて再生したアップサイクル内装壁面建材を共同開発した。
積水ハウスとフクビ化学工業、エスエスピーの3社は、複合素材のため廃棄処理が困難とされる「塩ビクロス」に新たな価値を与えて再生したアップサイクル内装壁面建材を共同開発した。塩ビクロス廃材を活用したアップサイクル内装壁面建材は両社によると日本初とのことで、住宅業界内での塩ビクロスの循環型モデルを可能にする取り組みとなる。
国内における壁紙生産量6.5億平方メートルのうち、シェアが93%を占める塩ビクロスは、塩化ビニール、炭酸カルシウム、パルプが配合された複合素材のため、リサイクルが難しく、コストの高い埋め立てが必要な処理困難物とされるが、昨今、防音材などにリサイクルする動きもみられる。
今回、積水ハウスら3社は、塩ビクロスの処理課題解決とリサイクル促進に向け、その廃材をアップサイクルしたデザイン建材を開発した。
開発のスキームは、積水ハウスのゼロエミッション活動拠点である資源循環センターにて廃棄物の塩ビクロスを原材料とし、エスエスピーの混錬技術にて、塩ビクロスの構成材である塩ビとパルプを混ぜたリサイクル原料に再資源化の上、フクビ化学工業の異形押出成形技術でデザイン建材としてアップサイクルする。
新建材は、時代を問わず人気のあるリブ柄の壁面材で、木製だと非常に高価だが、同材では価格を抑えて生産できる。サステナブルでありながら、塩ビクロスの構成材の天然素材である炭酸カルシウムとパルプの素材感を生かした愛着がわく建材としてこだわった。2024年4月を目標に商品化を進めている。
積水ハウスら3社は、建設廃棄物の削減と有効活用を促進し、住宅、建設業界における資源循環型モデルの形成に寄与し、「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」を推進していく。
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