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» 2023年11月02日 06時18分 公開

ソフトバンクと日建設計が次世代スマートビルの新会社設立 データを食べて進化する“オートノマスビル”次世代のスマートビル(1/3 ページ)

情報処理推進機構(IPA)のデジタルアーキテクチャ・デザインセンター(DADC)で、スマートビルの定義やシステムアーキテクチャ、運用プロセスなどを示す「ガイドライン」が2023年4月に公開され、海外に遅れること国内でもスマートビル化の流れは着実に進展しつつある。そうしたなかでソフトバンクが日建設計をパートナーとし、建物の統合基盤“ビルOS”を核に、次世代のスマートビル構築を設計段階から支援する合弁会社を設立した。将来は、海外へOSやアプリを含むパッケージ販売も視野に入れている。

[石原忍BUILT]

 ソフトバンクと日建設計は2023年12月1日、ビルが自らアップデートする次世代のスマートビルと位置付ける「Autonomous Building(オートノマス ビルディング)」の構築支援を担う合弁会社「SynapSpark(シナプスパーク)」を設立する。

次世代のスマートビル「オートノマスビル」とは一体何か?

日建設計 代表取締役社長 社長執行役員 大松敦氏(左)、ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員兼CEO 宮川潤一氏(右) 日建設計 代表取締役社長 社長執行役員 大松敦氏(左)、ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員兼CEO 宮川潤一氏(右) 筆者撮影

 スマートビルのパイオニアともいえるオランダ・アムステルダム「The Edge(ジ・エッジ)」を皮切りに、脱炭素化や省エネ化、建物の維持管理での省人化、フィジカル/サイバー両面での施設の安全性向上など、ビルを取り巻く世界的なトレンドを受け、各国でスマートビルが続々と誕生している。だが、日本では、既存ビルの設備システムと外部アプリケーションとの連携の難しさやビル設備とデジタルの両方に精通した人材不足などで、スマートビルの整備は立ち遅れているのが現状だ。

 持ち株比率ソフトバンク51%と日建設計49%で立ち上がる新会社のSynapSparkは、スマートビルの設計段階からのコンサルティングと、スマートビル向けのデータ連携基盤となる“ビルOS”やOS上でビルの資産価値を向上させるアプリをビルオーナーや管理者、利用者などに提供し、ハードとソフト両面からスマートビル化をサポート。ICTやデータ基盤に関する技術で知見を持つソフトバンクと、建築設計と都市開発の専門家集団として豊富な実績を有する日建設計がタッグを組み、デジタルと建築を掛け合わせることで、ビル内のあらゆるデータを活用して脱炭素化をはじめとする社会課題の解決を目指す。

 設計事務所が参画していることで、これまで個別にしか最適化されてなかったビルディングオートメーションシステム(BAS)などの設備制御システムのデータを、ビルOSで一元管理する仕組みが、前倒しで設計時に基本機能として組み込めるのがSynapSparkならではの優位性となっている。コア技術となるビルOSは、空調や照明などのエネルギー利用のリアルタイム最適化やサービスロボットの自律制御だけでなく、機能拡張のために外部アプリケーションと連携させることで、ビルが自ら新機能を取り込み進化し続ける“オートノマスビル”の社会実装までを想定している。

SynapSparkの事業イメージ SynapSparkの事業イメージ 出典:記者会見プレゼンテーション資料
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