清水建設は、検査作業の負荷が大きい地下ピットの検査で、球体ドローンを用いた遠隔手法を確立し、作業時間を従来の10分の1以下に短縮した。
清水建設は2025年7月9日、地下ピット検査業務の効率化を目的に球体ドローンによる遠隔検査の手法を確立し、作業時間を90%以上削減したと発表した。試行の結果、従来7日間を要していた検査を1日で完了し、必要な作業員も2人から1人に削減した。
今後は清水建設が施工を担う、完成時に日本一の高さとなる「Torch Tower」をはじめとする大規模現場での適用を予定している。
開口部が少ない地下ピットは検査時に内部空間の酸素濃度の低下リスクがあり、事前準備として送風機の設置や安全設備の設置、有資格者による検査が求められる。
新たに開発した手法では、壁面や天井に接触しても墜落せずに安定飛行できる球体のケージを備えたドローンを使用する。検査時には4Kカメラと測距センサーを搭載し、開口部からドローンを降下させて内部を撮影。リアルタイムでモニター表示される映像を基に、躯体の健全性を確認する。映像は測距センサーで取得した点群データの位置情報とひも付けて表示、記録されるため、映像そのものを検査記録として活用できる。
今後は地下空間に限らず、体育館の天井や煙突内部など、高所や狭所での点検業務への展開も視野に入れている。
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