清水建設とレンタルのニッケンは、天井仕上げ作業が一人で行える「電動走行作業台」と「無線操作式資材揚重機」を開発した。レンタルのニッケンを介して、外部へのレンタル販売も予定している。
清水建設は2023年11月6日、2024年4月から建設業に適用される時間外労働時間の上限規制を見据え、建築物の天井仕上げ工事の省人化に寄与する2つのアシスト機械として、電動走行作業台「スカイランナー」と無線操作式資材運搬/揚重機「スカイテーブル」をレンタルのニッケンと共同開発した。
両機を併用することで、天台足場を設けずに、天井資材の運搬〜揚重〜設置を連続的に進められ、天井仕上げ工事の作業効率が従前工法と比べて約20%高まる。
天井設備工事や天井下地、天井ボード、天井内設備機器、天井器具の仕上げ工事では、「天台足場」と呼ばれる移動式足場を利用して作業を進める。天台足場を利用する場合、面積2〜3平方メートルの足場を複数敷き詰めて作業スペースを確保するが、作業の進捗に応じて移設作業が生じ、設置や解体、盛替などに多大な時間と手間を要する。
こうした背景の下、清水建設とレンタルのニッケンは、天台足場を使用しない天井仕上げ工法の実現と作業効率の向上を目指し、作業床を上昇させたまま次の作業場所へ移動できる電動走行作業台のスカイランナーと、荷台の昇降や車台の移動を遠隔操作する資材運搬/揚重機スカイテーブルを開発した。
スカイランナーは、地上高1.95メートルまで作業床を上昇させられる電動式の走行作業台。作業床を上昇させた状態で前後や左右に走行させ、万一の脱輪時に車台の傾きを防止するポットホールプロテクターも標準装備している。作業床の最高高さは、2メートル未満に抑え、安全帯を装着せずに搭乗できる。
一方、資材運搬や揚重機のスカイテーブルは、最大200キロまでの資材運搬に応じ、荷上げの最高地上高は4.5メートルに達する。操作は無線ラジコンを介して行うため、高所作業車のような特別な操作資格も必要としない。
両機をセットで活用すれば、スカイランナーに搭乗した作業員が、天井付近での水平移動とスカイテーブルでの資材揚重を繰り返しながら、1人で天井仕上げ作業を完結できるようになる。
スカイランナーとスカイテーブルは、レンタルのニッケンのレンタル商品として他社のユーザーにも提供する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.