日建設計は、大阪オフィスで進めてきた脱炭素推進やワークスタイル変革に向けた実証実験の結果を公表した。成果として、オフィスビル義務基準比で、47%のエネルギー消費量削減を実現している。
日建設計は、2023年5月の銀泉備後町ビル移転後から大阪オフィスで展開してきた脱炭素推進やワークスタイル変革に向けた実証実験の結果を発表した。
日建設計は、近年の社会課題は複雑化かつ多様化しており、1つのサービスや組織の力で解決することは困難として、社内外のプレイヤーと共創しながら、2023年4月から各地の自社オフィスで実証実験を展開している。
実証のうち、ビルオーナーとオフィスのテナントが一体で進める脱炭素の推進では、ビルオーナーの銀泉が環境性能を上げるため、手動開閉可能な自然換気窓への改修などを実施し、テナント企業の日建設計はオフィス内の滞在状況に応じて照明や空調を停止して、デジタルサイネージでワーカーの移動を促すなど、快適性と環境共生を両立させる運用を行った。
デジタルサイネージはフロア内に設置しているセンサーから吸い上げた温度(暖かい・涼しい)、ノイズ(煩い・静か)、照明(明るい・暗い)といった環境情報が直感的で視覚的にも伝わるようにカラー表示し、フロア内で空調や照明のムラがある中でも各ワーカーが自身にとって最適な席を選べるようにした。今後は、ロボットの導入も見据えは、CO2濃度、外気温、室温などをセンサーとデータ連携しながら、フロア内を自律移動できるタイプを採用する。
その結果、日建設計が入居する5〜8階で、築20年のテナントビルながらも、オフィスビルの義務基準に対して47%のエネルギー消費量削減を実現した。
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