2023年度上半期の「人手不足倒産」は、135件(前年同期66件、104.5%増)だった。前年同期から倍増、年度上半期ベースで初の100件超えとなり、通年で過去最多を大幅に更新する見込み。業種別では、「建設業」(51件)が最多で、「サービス業」(31件)、「運輸・通信業」(23件)が続いた。
2023年度上半期の物価高(インフレ)倒産は、383件(前年同期158件、142.4%増)だった。前年同期から約2.4倍に急増し、このペースで推移すれば、11月にも前年度(463件)を上回る見込み。主因別では、「原材料」や「エネルギー」コスト高騰などが多数を占めたが、「人件費」の上昇による倒産が前年同期の約3倍となった。
集計期間:2023年4月1日〜9月30日
調査対象:負債1000万円以上法的整理による倒産
集計機関:帝国データバンク
帝国データバンクでは今回の集計結果を受け、コロナ対策で導入された実質無利子・無担保融資の「ゼロゼロ融資」返済が本格化し、エネルギーなどの「物価高(インフレ)」「人手不足」「事業承継」問題が中小企業の経営に影を落としていると指摘する。
また、「足元ではコロナ禍で猶予されてきた社会保険料などの「公租公課」の徴収も強化され、社屋や土地など資産を差し押さえられたことで経営に行き詰まる公租公課滞納倒産も目立っている。こうした四重、五重の苦境が襲い、経営体力に乏しい中小企業を中心に倒産件数を押し上げる要因となっている」とコメントしている。
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