弁護士法人の心には、人材不足や仕入れ高騰を要因に、倒産が増加している建設業からの相談が例年よりも増えているという。
関東、関西、東海地方を中心に弁護士47人が所属する大手弁護士法人の心は、企業倒産に関する相談が昨対比約2.2倍に増加していると2023年5月25日に明らかにした。
中小企業庁の統計で倒産が増加している建設業からも、人材不足や資材の高騰により、資金繰りが厳しいという相談が寄せられているという。
中小企業庁によると、建設業における倒産件数は2019年は1444件、2020年は1247件、2021年は1065件と減少傾向だったのに対し、2022年は1194件と前年より12%も増加に転じている。月次では、決算期による波があるものの、2022年から増加傾向が続いている(出典:中小企業庁:倒産の状況 令和5年4月分)。
そうした中、心への事業者の倒産に関する2023年4月の相談件数は、前年同月比で約2.2倍と増加している。
建設業の特に小規模からの相談では、「人材不足や仕入れの高騰で資金繰りが厳しくなってきている」との声が寄せられている。「下請けの場合、元請けから受注の際に最低作業人数の指定があることがあり、人数をそろえなければ受注できないために技術者を集めるが、人材不足で募集を含めた人件費が高騰して予算を圧迫している」「仕入れ値が10%以上上がっても、元請けにそのコストを転嫁できない」など、苦しい状況が続いていることがうかがえる相談内容だという。
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