Pix4Dの地上写真測量ソリューション「PIX4Dシリーズ」がNETISに登録され、新たに工事成績評定の加点や総合評価方式の入札の際の評価対象となった。
スイスのローザンヌに本社を置く、フォトグラメトリソフトウェアを提供するPix4Dの日本支社Pix4Dはこのほど、地上写真測量ソリューションが「PIX4Dシリーズ」として、国土交通省 新技術情報提供システム(NETIS)に登録されたと公表した。
Pix4Dシリーズは、Pix4Dが提供する製品群を使ったデータ取得から、データ処理、3次元モデル上での計測までを含む、一連の地上写真測量ワークフローを指す。
製品としては、画像やLiDARデータ取得用の無料モバイルアプリ「PIX4Dcatch」、iPhoneやiPadに装着して3次元測量を行う機器「viDoc RTK rover」、画像から点群データを生成するSfMソフトウェア「PIX4Dmatic」や「PIX4Dmapper」、点群データをCADデータに変換する「PIX4Dsurvey」、ドローンで取得した画像からマップとモデルをクラウドで生成する「PIX4Dcloud」などのデータ処理や解析のソフトウェアで構成される。
PIX4Dシリーズは、モバイル端末で撮影した画像とLiDARデータから、位置情報の付いた高精度の3次元点群を生成する。ドローンが飛ばせない現場でも、スマートフォンやタブレットを持って対象物の周りを歩くだけで、データの取得は完了。フォトグラメトリとLiDARの技術の強みを合わせることで、LiDARのみを使用した技術よりも、再現度の高い3次元モデルが生成できる。
フォトグラメトリ点群のみ(下画像左)では、車体表面など反射する表面が高い精度で再現されていない。一方で、LiDAR点群のみ(下画像中央)では点密度が低く、タイヤなどが再現されていない。双方を融合することで、互いの弱みを補い合える利点が生まれる(下画像右)。
3次元モデルの生成は、取得したデータをソフトウェアにアップロードするだけで、ソフトウェア上では、対象物の距離や面積、体積の計測も行える。デスクトップ版のソフトウェア「PIX4Dmatic」を利用すれば、「PIX4Dmapper」との比較で大容量のデータを高速に処理できる。クラウド版のソフトウェア「PIX4Dcloud」では、関係者間との情報共有や過去のデータと比較することで経時変化も確認できる。
PIX4Dシリーズを利用したワークフローは、国交省が定める出来形管理要領の「土工編」と「小規模土工編」にも準拠している。今回、NETISに登録されたことで、PIX4Dシリーズを利用する施工者は、新たに工事成績評定の加点や総合評価方式の入札の際の評価対象となる。
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