イトーキが草加と江東区に新物流拠点 首都圏の配送網を再構築し、物流「2024年問題」に対応ロジスティクス

イトーキは、物流業界の2024年問題に対応すべく、首都圏の新物流拠点「イトーキ東京ロジスティクスセンター」と「イトーキ東京BASE」を8月16日から順次開設する。

» 2023年08月23日 13時00分 公開
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 イトーキは、埼玉県川口市の物流拠点「イトーキ東京テクノパーク」を移転し、新たな物流拠点として埼玉県草加市に「イトーキ東京ロジスティクスセンター」を2023年8月16日、東京都江東区に「イトーキ東京BASE」を2023年11月1日に開設する。

「首都圏供給網の再構築」と「人材不足へ対応」

 イトーキ東京テクノパークは、首都圏と東日本への配送を担う物流拠点として2004年に開設し、約20年にわたり稼働を続けてきた。今回、物流の2024年問題が喫緊の課題として迫る中、「イトーキ東京テクノパーク」の機能を「イトーキ東京ロジスティクスセンター」と「イトーキ東京BASE」に分散し、首都圏への供給網を再構築することで、イトーキ東京テクノパークと比較して従来の130%となるトラック稼働率の実現を目指す。

 イトーキ東京ロジスティクスセンターの所在地は、埼玉県草加市柿木町字宝1352-2の「プロロジスパーク草加」の4階北側にテナントとして入る。プロロジスパーク草加は、鉄骨造・地上4階建てで、賃借部分の面積は1万6751平方メートル(倉庫面積1万6237平方メートル、事務所面積514平方メートル)。

「イトーキ東京テクノパーク」 「イトーキ東京テクノパーク」 出典: イトーキプレスリリース

 イトーキ東京BASEは、東京都江東区新砂2丁目4番地17号の「日本通運 Tokyo C-NX」の北棟2階。日本通運 Tokyo C-NXは、鉄筋コンクリート造・地上6階建てで、賃借部分の面積は8354平方メートル(倉庫面積6456平方メートル+専用バース1100平方メートル、事務所面積514平方メートル+専用廊下・トイレ367平方メートル)。

「イトーキ東京BASE」 「イトーキ東京BASE」 出典: イトーキプレスリリース

 新物流拠点開設の狙いは、首都圏供給網の再構築と人材不足への対応にある。開設する2拠点のうち、一方を東京都内に構えることで、広範囲の顧客層にアクセスしやすくなり、全国にある生産工場の中継拠点として機能させ、配送時間の短縮と首都圏への配送効率の最大化を見込む。

 また、人口の多い東京23区に拠点を構えることにより、人材不足にも対応。トラック輸送から貨物輸送へ、環境へ配慮した輸送も進めていくとしている。

 両拠点には、商品の入荷から出荷までを管理する倉庫管理システムをはじめ、トラックの入荷時間などを管理するバース管理システムを導入。イトーキ東京ロジスティクスセンター」にはパレットラックを多く採用する他、上り下り専用のダブルランプウェイで構内の混雑緩和、雨天作業可能な屋根を構えた中央ランプで倉庫稼働率の向上と車両待機時間の削減による効率的な運用を目指す。

 イトーキ東京ロジスティクスセンターのコンセプトは「Connecting & Communication」。1つの空間をグループアドレスとして緩やかにエリア分けし、空間全体を横断するように広めの通路を設けてワーカーの移動と出会いを促す。さらに、中央エリアにコミュニケーションの場となる共用のミーティングスペースを設け、部門間や社内外の関係性を構築しやすいレイアウトとする。

コミュニケーションを重視した「イトーキ東京ロジスティクスセンター」の事務所 コミュニケーションを重視した「イトーキ東京ロジスティクスセンター」の事務所 出典: イトーキプレスリリース

 災害対策では、移転した土地は大雨や洪水のリスクが少ない平地で、建物には横揺れに強い免震構造を採用。停電時には、自動的に電力供給が開始され、3日間(稼働8時間)の最低電力を維持するなど、事業継続性も考慮されている。

「イトーキ東京ロジスティクスセンター」の施設概要 「イトーキ東京ロジスティクスセンター」の施設概要 出典: イトーキプレスリリース
「イトーキ東京BASE」の施設概要 「イトーキ東京BASE」の施設概要 出典: イトーキプレスリリース

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