大和ハウス工業は、2050年までに温室効果ガス排出量のネットゼロ達成などの目標を掲げており、SBTiから「SBTネットゼロ」の認定を取得した。
大和ハウス工業は2023年7月24日、SBTi(The Science Based Targets initiative)から日本の住宅業界/建設業界で初めて温室効果ガス(GHG)排出量削減に関する目標で「SBTネットゼロ」の認定を取得したと明らかにした。
大和ハウス工業は、環境長期ビジョン「Challenge ZERO 2055」に基づき、創業100周年となる2055年までに、グループ、グローバル、サプライチェーンを通じて「環境負荷ゼロ」の実現を目指している。
その重点テーマとして、「気候変動の緩和と適応」を掲げ、事業活動におけるGHG排出量の削減を図っている。2018年には、世界の住宅・建設業界で初めて「SBT」「EP100」「RE100」の3つの国際イニシアチブに加盟し、省エネ活動を推進するとともに、再生可能エネルギーの発電や積極的な活用を図っている。
2022年5月には、GHGの排出量削減に向けた取り組みを強化するため、第7次中期経営計画に合わせて、新たな脱炭素目標を策定した。
ネットゼロ目標では、2050年までにバリューチェーン全体のGHG排出量のネットゼロを達成し、バリューチェーン全体で90%以上削減して、残余排出量は森林吸収や炭素除去技術などの活用で中和(Neutralization)する。短期目標は、1.2030年度までに事業活動に伴うGHG排出量を2015年度比で70%削減(1.5度水準)、2.2030年度までに販売した建物使用に伴うGHG排出量を2015年度比で63%削減(1.5度水準)、3.2025年度までに主要サプライヤーの90%以上とSBT水準のGHG排出量削減目標を共有する。
今回、3つの短期目標がSBTiより1.5℃水準の認定を受け、ネットゼロ目標もSBTiの認定を取得するに至った。
SBTiは、WWF、CDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)、世界資源研究所(WRI)、国連グローバル・コンパクトによる共同イニシアチブ。企業に対し、気候変動による世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べ、1.5度に抑えるという目標に向け、科学的知見と整合した削減目標を設定することを推進している。
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