一例として、営業資料のデータを解析し、架空の見込み客からの潜在的な質問とその回答を表示したり、会議メモから必要な情報だけを抜き出して、自動で他社へのプレゼンテーション資料やメール文面を作成したりといった機能を有している。
その使い方は、大きく2種類に分けられる。まずは、ChatGPTの質問を投げかけるように、シンプルに「質問をする」というやり方だ。「メモをまとめてほしい」「このなかから、事実のデータだけ抜き出してほしい」などをチャット形式で指示を送り、回答を導き出す。
もう一方は、PCのメモ帳やWordのような使い勝手でBox上で文章作成を行えるドキュメント作成ツール「Box Notes」の活用だ。具体的な指示をBox Notesに打ち込めば、Box AIが自動的にコンテンツを生成してくれる。Box Notesを使うことで、ゼロから報告書やマニュアルなどの文書を作成したり、Box上に蓄積した情報をベースに資料をまとめたりもできる。
こうした機能により、業務の生産性向上に大いに役立つBox AI。しかし、個人の領域だけでなく、企業や組織のデータに広げていけば、より有益な効果を発揮するだろうと、レヴィ氏は主張する。「オフィス内に存在するデータの80%は、(元の形式のまま保存されている)画像、文書、PDFなどの十分に活用し切れていない“非構造化データ”。クラウド内の多様なデータを自動で理解できれば、社内コンテンツの価値を本当の意味で最大化できる」。
今後はまず、同社のデザインパートナーに配布していき、順次一般ユーザーへの提供も予定している。セキュリティやプライバシー侵害の部分を最大限配慮した上で、全てのBoxにBox AIの機能を搭載させていきたいと抱負を述べた。
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