パナソニックがエスコンフィールド HOKKAIDOに高度な照明演出ソリューションを提供できた理由は、放送事業者との約60年間にわたるビジネスで蓄積してきたノウハウにある。新球場では、これまでの経験を生かし、照明演出のシステムとして、KAIROSと連携する新スタジアムコンテンツ・マネジメントシステム「S-CMS」を実装した。
スタジアムの映像関連ハードウェアは、カメラ、大型ビジョン、サイネージなどが音響や照明と連動し、スタジアム全体に一体感や没入感をもたらす。KAIROSは、サイズや解像度の異なるハードウェアで放映するコンテンツを一元的に、その前段階のスイッチングや映像合成、映像確認など制作作業を行うためのプラットフォームとなる。一方、S-CMSは映像、照明、音響の各システムを統合制御し、KAIROSで作成したコンテンツを表示装置に送信する。
S-CMSにはサイネージの電源を制御する機能も備わっており、複数のサイネージに対して一括で電源ON/OFFが可能になる。従来は複数のスタッフが数時間もかかっていた電源ONの操作も、S-CMSを使用することでコントロールルームに居ながらにして完了する。こうした映像、照明、音響の連携機能は、各分野の熟練オペレーターを必要とせず、人材不足を補うメリットもある。
また、画像の転送にも、パナソニックの技術力が光る。球場内には約600基のサイネージが配置されているが、データ転送にはケーブルテレビの技術を応用した。その結果、多数のサイネージがほぼリアルタイムで連動表示できる0.5秒以下のタイムラグに抑えた。表示の遅延がなければ、大型ビジョンや音響、照明とのシンクロもズレることなく、球場全体を一体とした演出が実現する。
LED:光害に配慮した照明約300台を福井県大野市に導入
製品動向:2022年開業の配線器具ショウルームと配線器具工場を披露、パナソニック EW社
LED照明:照明器具18.1億台の“SSL化率100%”を目指すJLMAの成長戦略、次世代型「Lighting 5.0」を普及
空気質:山形県朝日町「空気神社」とのコラボで、美しい空気を次世代に引き続くパナソニック 空質空調社
ロジスティクス:マルチテナント型物流施設「ロジポート多摩瑞穂」が東急建設の設計・施工で着工、2024年6月竣工Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10