建設業界従事者が思う最大の課題(人材不足、高齢化による技術承継、円安などによる建材・人件費の高騰)に対する解決方法として期待するものと、現実に導入が進んでいるかの現状の上位3つをそれぞれ尋ねたところ、結果は次表の通りとなった。
下図1位の「建設ロボット」は、建設業界従事者の期待値は高いが現実的な導入には遅れを感じていることが推測される数値となっている。
総回答数(複数回答)で「建設業界の中で導入が進んでいると思うデジタル技術」では、BIM/CIM/CADは、大学生ではランク外だったが建設業界従事者に限ると7位だった。
野原グループ CDO(最高デジタル責任者) 山崎芳治氏(※崎=たつさき)は、調査結果について、「建設業界に従事される1000人が、人手不足や高齢化による技術承継に対する危機感を、これだけ強く感じていたとはとても驚いている。建設業界では、従事者の3割以上を55歳以上の方が占め、29歳以下は1割にとどまる(総務省「労働力調査」を基に国土交通省で算出した資料を引用)。全産業の平均値よりも悪く、今後の建設産業の在り方に大きく影響を及ぼすと考えられる」と話す。
また、「建設業界従事者から見た業界のマイナスイメージ(トピック1)でも、待遇(働き方を含む)と給与が挙がり、大学生の調査結果と同様の結果。建設業界の深刻な課題(トピック2)でも、若い世代の不足はゼネコンや工事の現場に関わる業種ほど強く感じている。建設業界を、誰もが魅力に感じる業界にするためには、労働生産性を高め、また若い世代が働きやすい環境を整えることが急務だ」と提言する。
国土交通省が2022年12月、2023年1月と建築BIM加速化事業への補助金支援を発表したBIMに関しては、「調査結果をみても、業界最大の課題(「人手不足」「高齢化による技術承継」)への解決策として、BIMへの期待や現状の導入具合が再確認されたが、まだまだこれから。野原グループは、BIM設計ー生産ー施工支援プラットフォームのBuildApp(ビルドアップ)を主軸に、建設のプロセスの変革、3K(「きつい」「汚い」「危険」の頭文字をとって作られた略語)からの脱却に挑んでいく」と展望を語る。
調査時期:2023年2月15〜22日
調査対象:全国の建設業界従事者
調査手法:ゼネラルリサーチによるインターネット調査
有効回答数:1000人
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