自動車の試作開発やカーレース用の高性能カーボン部品を製造してきたトピアは、「Japan Drone 2025」に初出展し、5カ月で開発した大型実機を披露してドローン分野への本格進出を表明した。「自動車からドローンへ」トピアはどのような戦略で異なる領域に参入しようとしているのか。
三重県鈴鹿市に本社を構える自動車や鉄道、航空機の試作開発を手掛けるトピアは、ドローン展示会「Japan Drone 2025」(会期:2025年6月4〜6日、幕張メッセ)に初出展した。自動車業界とりわけレース分野で培ってきた高性能カーボン加工技術をベースに、ドローン市場への参入を見据えて一歩踏み出した。
トピアのブースで目を引いたのは、飛行可能な大型ドローンの展示だ。来場者から「いつ市販されるのか」といった質問が多数寄せられていた。
ただブース担当者は「トピアが目指すのはあくまで“サプライヤー”であり、完成機の販売は目的ではない」と強調する。メーカーの設計意図に沿って、カーボン製の機体部品やプロペラを供給する製造パートナーとして、ものづくりの現場を支える立場を追求するのがトピアの目指す戦略だ。
しかし、単なる部品製造にとどまらないのがトピアの強み。自社で製造した部品を機体に取り付け、実飛行による技術検証も実施する。飛行時に各部位へどのような応力がかかるかを把握し、設計や成形の精度向上へとつなげている。「飛ばして初めて見えてくる課題もある」とブース担当者は語る。
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