アズビルが神奈川県で保有する藤沢テクノセンターの新実験棟を披露、環境目標も紹介導入事例(2/3 ページ)

» 2022年12月30日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]

2030年度までに顧客の現場で1年当たり340万トンのCO2を削減

 今後については、「環境・エネルギー」「新オートメーション」「サプライチェーン、社会責任」「健康経営、学習する企業体」といった4つの取り組みを行う。

 環境・エネルギーでは、2030年度までに、顧客の現場で1年当たり340万トンのCO2を削減し、2017年と比較して、事業活動に伴うGHG排出量を55%カットして、サプライチェーン全体のGHG排出量を20%軽減する。加えて、2030年度までに、全ての同社新製品をazbilグループ独自のサステイナブルな設計とし、100%リサイクル可能な設計とする見込みだ。

アズビルのサステナビリティの環境への取り組み 提供:アズビル

 「新オートメーションでは、顧客の安心、快適、達成感の実現に向け、生産空間、居住空間(ビル建物)、生活空間の“データ化”を進め、ものづくりや運用状態の“自律化”により、社会が求める課題を解決し、付加価値を創出する」(山本氏)。

 具体的には、内的事業環境変化(設備不調、原材料品質など)と外的事業環境変化(自然災害、社会情勢の影響など)の予測・診断と自律的意思決定・制御が行えるシステムの構築を推進する。さらに、データに基づく作業支援で業務のミスを低減し、計画外作業を低減して、労働生産性向上となる快適かつ省エネ環境を構築するだけでなく、時間や場所に合わせた最適な就労環境の構築と年齢や性別、スキルなどによらない就労環境を創出する見込みだ。

 サプライチェーン、社会的責任では、顧客とともにSDGsを共通目的として連携し、サプライチェーンにおけるCSRの価値共有を実現し、独自の評価指標で方針、体制、取り組み、有効性を評価する。なお、社員が参加し、地域に根差した社会貢献活動を全ての事業所で行う。

アズビルのサステナビリティの取り組み 提供:アズビル

 健幸経営、学習する企業体では、2024年度までに女性活躍ポイント※4を2017年と比較して2倍とし、2030年度までに、azbilグループで働くことに満足している社員を65%以上として、仕事を通じて成長を実感する社員を65%以上とする。

※4 女性活躍ポイント:女性の役員、役職者、管理職など、役割に応じたウエイトをつけて独自に集計したポイント。

アズビル 藤沢テクノセンター長 宮崎英樹氏

 アズビルの宮崎氏は、「藤沢テクノセンターは、1961年5月に操業開始したアズビル製品の研究開発拠点だ。約2000人の従業員が勤務しており、延べ床面積は5万3000平方メートルで、敷地面積は2万9000平方メートルとなっている。敷地内で、2022年9月に103建物と104建物が竣工した。103建物は、地上6階建てで、アズビル製品の実験を行う施設となっており、研究・開発の生産性、創造性を発揮するワークスペースを設置した。施設内にある社員の執務空間では、集中して思考する場所と気分転換できる空間をバランス良く配置し、カフェ型のワークスペースなども設けた」とコメントした。

「藤沢テクノセンター」入り口 提供:アズビル
「103建物」の協創エリア 提供:アズビル

 続けて、「104建物は、地上3階建てで、MEMSセンサー搭載製品の開発と生産の拡大を目的に建設された施設となっており、MEMSセンサーの開発設備と計測標準設備を整備している。施設内にある新校正室は、2022年9月に稼働し、現在の建設技術とアズビルが持つ空調技術と計測に関するノウハウを結集した。なお、103建物と104建物では、IWBI(International WELL Building Institute)による評価でWELL認証を取得している」と補足した。

「103建物」の外観 提供:アズビル
「104建物」の外観 提供:アズビル

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