国交省は電動建機の普及を図るべく、GX(グリーントランスフォーメーション)建機の認定制度を2023年にスタート。経産省も2030年までにミニショベルで10%、油圧ショベルで5%の電動化率を目指す導入シナリオを設定した。GX建機の需要が高まる中、建機レンタルの西尾レントオールは、建機メーカー各社の電動式油圧ショベルやカスタム開発したタイヤローラなどを一堂に集めた試乗会を開催した。
建設機械レンタル会社の西尾レントオールは2025年2月19〜20日、千葉県佐倉市の東京機械センターで「電動建機試乗会」を開催した。土木/舗装業界の脱炭素化に向け、小松製作所(コマツ)、ボルボ・グループ・ジャパン、竹内製作所などのGX(グリーントランスフォーメーション)建機、高所作業車、充電装置、自律走行の掃除ロボットなどを展示し、参加者が乗車して体感できる機会となった。
会場となった千葉県佐倉市の東京機械センターでは、小松製作所(コマツ)、ボルボ建設機械、竹内製作所などの油圧ショベル(バックホウ)やタイヤローラなど10台以上を展示し、制限時間や試乗順を設けずに“好きな建機に好きなだけ”乗れる機会を提供した。建機以外にも充電関連機器も展示し、電動建機の運用にトータルで応える西尾レントオールの姿勢が感じられる催しとなった。
西尾レントオールが自社で取り扱う製品の試乗会は、大阪では2021年から毎年行っているが、電動建機に限定した関東での試乗会は初となる。今回の試乗会は2日間にわたり、両日で計150人以上が来場した。土木や舗装関係、ゼネコンで技術系の業務に携わる人など、さまざまな立場の人から申し込みがあったという。
西尾レントオール 広報宣伝室長 兼 事業企画担当部長 西垣内渉氏は、「今後は全国展開する構想もある。今回は10台強の建機を出品したが、建機メーカーも電動建機のラインアップを増やしており、より多くの電動建機に乗れる場となっていくだろう」と展望を語った。
試乗前には、西尾レントオールと子会社の新トモエ電機工業が電動建機の取り組みを説明した。
西尾レントオールでGXを担当する東京支店 井上良介部長は、国交省が進めるGX建機認定制度に触れながら、電動建機の特徴となる環境性能や静粛性などを紹介した。
井上氏は「電動建機の利用にはバッテリー充電が必要だが、充電で使用電力が契約電力量を超えると、その後の電気代が高くなる。防ぐ方法としてパワーバンクや発電機、太陽光発電を併用することで電力使用のピークをカットできる」と補足した。
新トモエ電機工業 取締役 営業統括部長 建機車両部 部長 武内和也氏は、西尾レントオールの子会社としての事業内容や長年培ってきた電気車両の製造に関するノウハウを保有しているとPR。「電気車両の製造をベースに、バッテリーを動力源とする特殊搬送車両のメーカーとして環境対策や効率化に取り組んでいる」とした。
試乗会ではバックホウやホイールローダの他に、今回の“目玉”として西尾レントオールと新トモエ電機工業が既存のエンジンをモーターに換装したタイヤローラも披露。酒井重工業のタイヤローラ「TZ701」をベースに、エンジンを取り外し、電動化に必要なモーターやインバーター、リチウムイオン電池などを搭載している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.