技術開発本部工程開発部長 關宏治氏は、「104建物のクリーンルームは、藤沢テクノセンターでMEMSセンサーの生産能力を増強するために開発した建物で、機械室やウェットプロセスエリア、フォトリソルーム、設備搬入室で構成されている。なお、機械室とウェットプロセスエリアでは、仕切りが無いスルーザウォール方式を採用し、各部屋のクリーン度は空調機器を用いた気流で制御している」と強調した。
ウェットプロセスエリアでは、清潔な環境を維持するために、床全面にグレーチング床を配置し、深いリターンダクトを設けた。設備搬入室では、機械を入れる際に作業員が磨きクリーン度を高い水準で保っている。また、作業者の安全を監視する複数の監視モニターと夜間の移動物体を感知するAIカメラを配置し、安全性を高めている。
会場を移して披露された104建物の標準室は、同社が販売している「サファイア隔膜真空計」の精度を確かめられる真空発生装置(真空標準機)や白金抵抗温度計の精度を確認する水の三重点実現装置を備えている。
一方、101建物のバルブ評価設備は、騒音試験設備、流量試験設備、耐久試験設備から成る。騒音試験設備は、設置された無響室で、バルブから発生する流水音やアクチュエータの作動音といった騒音性能評価が行え、アズビルが販売している「ファンコイルユニット用比例二方弁」の開発で使用されている。
流量試験設備は、配置された機器によりバルブにさまざまな流れの水流を発生させられ、流量計の精度を調べられる。耐久試験設備は200度の蒸気をバルブに流せるだけでなく、熱交換機で蒸気から80度の湯を抽出し、バルブに注げ、バルブやアクチュエータの耐久性を確認できる。
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