鹿島建設は2025年3月期連結決算を発表し、大型工事の進捗と米国企業買収効果により売上高9.3%増の2兆9118億円、当期純利益9.4%増の1258億円など4期連続の増収増益を達成した。
鹿島建設は2025年5月14日、2025年3月期連結決算を発表した。大型工事の順調な進捗や買収した米建設会社の寄与などにより、売上高は前期比9.3%増の2兆9118億円となった。営業利益は同11.5%増の1518億円、経常利益は同7.0%増の1606億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同9.4%増の1258億円を計上し、4期連続の増収増益を達成した。
セグメント別では、土木事業が大型案件の着実な進捗により、売上高が前期比11.2%増の4041億円、営業利益は同53.4%増の357億円と大幅に伸びた。建築事業は大型工事の施工量が少ない時期に当たることから、売上高が4.6%減の1兆534億円となったものの、利益率の改善により営業利益は同3.9%減の512億円にとどまった。開発事業等では計画的な物件売却が進み、売上高は同19.9%増の1023億円、営業利益は同51.0%増の278億円と大幅に拡大した。
国内関係会社は前期に実施した不動産売却の反動で売上高が前期比3.5%減の3546億円、営業利益は同32.1%減の164億円となった。これに対し、海外関係会社は建設/開発とも好調に推移し、売上高が29.6%増の1兆1145億円、営業利益も同18.6%増の200億円へ伸長した。
建設受注高は、再開発や生産施設などの重点分野で複数の大型案件を獲得したものの、前期比10.3%減の2兆6245億円となった。
2026年3月期の業績予想は、売上高が前期比1.3%増の2兆9500億円、営業利益が同4.7%増の1590億円、経常利益が同3.3%増の1660億円、純利益は過去最高となる同3.3%増の1300億円を予想。5期連続の増収増益を見込んでいる。建設受注高は2兆3300億円を予想しているが、目標とする大型工事の受注動向により上振れする可能性があるとしている。
鹿島建設では、堅調な建設需要を背景に生産性向上を推進し、2026年までの中期経営計画期間中に、国内建築事業の総利益率を10%超へ引き上げることを目指している。また、「2030年度の連結当期純利益目標1500億円以上」の早期達成を視野に入れる。計画を上回る利益はについては、人的資本への投資を含む成長投資と株主還元に充当する方針だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.