日鉄エンジニアリングは、ブライセンとともに、AIとIoTを用いて、プラント操業の自動化を目指す統合プラットフォーム「Think Platform」のサービス拡充に向け、開発から運用まで包括的に協業することで合意した。
日鉄エンジニアリングは、ブライセンとともに、AIとIoTを用いて、プラント操業の自動化を目指す統合プラットフォーム「Think Platform(ティンク プラットフォーム)」のサービス拡充に向け、開発から運用まで包括的に協業することで合意したことを2022年11月14日に発表した。
日鉄エンジニアリングは、これまで培ってきたエンジニアリング(EPC)技術やオペレーション&メンテナンス技術、プロセス制御技術にAIを組み合わせて、Think Platformを構築し、2017年にグループ企業が維持管理するプラントに適用して、開発に取り組んでいる。
Think Platformは、建物内に設けたカメラやセンサーで得られた情報を専用クラウド「DS Cloud」に集約し、収集したデータを機械学習したAIやロボット、システムを利用して、プラント内のオペレーションやメンテナンス、点検を支援するソリューション。
今回の協業では、AIの品質アップや運用フェーズでのサービス品質向上を目的としており、ブライセンのAI開発基盤「MLOps」を用いて、Think Platformの操業データ解析能力を強化し、さらにプラント操業の自動化を実現するソリューションに仕上げ、日鉄エンジニアリングが提唱する自動操業プラント「Think Plant」の実現を目指す。
具体的には、マルチモーダル※1対応のThink Platformを共同で構築し、MLOpsでThink PlatformのAIを評価・改善し、精度向上を図り、Think Platformのハードとネットワーク設計の最適化を実施する。こういった取り組みにより開発したThink Platformのサービスをさまざまなプラントに展開する見込みだ。
※1 マルチモーダル:複数種類のデータを入力可能で、統合的に処理するシステム。
また、「EdgeTech+ 2022」(会期:2022年11月16〜18日、パシフィコ横浜)で2022年11月17日に開かれた記者発表会で、日鉄エンジニアリング 執行役員 古家秀彦氏は、「今回の協業では、当社が管理している複数のプラントに、設置されたカメラやセンサーで取得したデータを基に、MLOpsでThink PlatformのAIを強化する」と話す。
続けて、「こういった取り組みにより、精度を高めたAIとセンサーなどを活用して、プラント内に配置した設備の異常を検出し、予知保全を実現するサービスを開発して、設備の故障を防ぐ。加えて、AIと施設内に取り付けたカメラで撮影した画像を連携し、人が危険なエリアに入ると感知して、対象の機械をインターロックするサービスも開発して、プラントの安全性を高める予定だ」と説明した。
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