NEC通信システムは、竹中工務店やアルモ、MetComの協力を受け、3次元屋内外位置測位の技術とBIMを活用し、建築現場の作業最適化および効率化に向けた技術実証を東京都港区のビル新築現場で2022年10月に行った。
NEC通信システムは、竹中工務店やアルモ、MetComの協力を受け、3次元屋内外位置測位技術(MBS)とBIMを活用し、建築現場の作業最適化および効率化に向けた技術実証を東京都港区のビル新築現場で2022年10月に実施した。
建設業界では、技術者不足が深刻化する中、業界魅力向上への働き方改革だけでなく、生産力の向上が求められている。一方、生産性向上に向けた最適化や作業者の安全性アップを図るために、現場の人、モノの位置、状態を正確・リアルタイムに把握することが必要とされている。
さらに、GNSSは、屋内と地下が衛星電波不感地帯となって位置測位が困難なため、専用機器の事前設置が不要でかつ屋内での位置測位可能な方式のニーズが高まっている。
そこで、MetComは、MBS垂直測位サービス「Pinnacle」を開発した。Pinnacleは、ユーザーが保有する端末の気圧センサー情報やMetComが設置した基準点の気圧情報をクラウドでリアルタイムに比較分析して高さを推計するソリューションで、インフラ設置が不要な屋内外位置測位方法として期待されている。
加えて、2021年に10月にパイロットサービスを開始し、2022年10月に関東・大阪の一部で商用サービスが開始となった。
今回の実証では、BIMに含まれる建物のデジタルモデル情報を、静的な屋内3次元デジタルマップとして実際の建物位置(緯度、経度、高度)に合わせて変換・合成した後、Pinnacleによって得られるリアルタイムの高さ情報をベースに、自己位置を推定表示するスマートフォンアプリケーションを試作し技術的な確認を行った。
これにより、実際の作業現場で、建物に対しての位置測位が十分な精度で実施可能なことが分かった。また、独自で開発を進める補正技術のパラメータを検証するとともに、データ通信環境が整っていない状態の対策などを実施し、システム化に向け課題を抽出した。
ちなみに、実証ではスマートフォンを利用したが、今後は、気圧測定と通信の機能に絞った小型ハードウェアをモノに貼り付けてクラウド上で集中管理するシステムの開発を予定しており、こうすることで人だけでなくモノの継続的な位置把握も実現する。
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