NECは、映像や動画の広告宣伝を配信するだけでなく、施設への入場制限や3密を回避できる「過入場検知デジタルサイネージ」を開発した。
NECは2021年1月27日、オンラインで「デジタルサイネージを活用した施設の密回避ソリューションセミナー」を開いた。会場では、NEC パートナーソリューション事業部 原克尚氏が、デジタルサイネージを用いた感染症対策の事例や同社が開発・販売する「過入場検知デジタルサイネージ」を紹介した。
現在、店舗やオフィスなどでは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、3密対策として、十分な換気や入室人数の制限しており、従業員もマスクの着用や手洗い、体温チェック、設備の消毒などを徹底している。
NECの原氏は、「商業施設とオフィスビルは、コロナ禍では3密と衛生に関する対策を怠ると、利用客の減少や企業イメージのダウン、感染者発生による施設の閉鎖など、多大な損害を被りかねない。しかし、従業員が密状態の把握や検温と消毒の対応、呼びかけなどを担当すると感染者との接触リスクを伴う。そこで昨今、人に代わって、センサーや分析技術、アラートを発信する装置、デジタルサイネージなどを用いて、入場者数のカウントや検温、マスク着用のセンシング、混雑度の検知と表示を行う手法が注目されている」と説明した。
さらに、「デジタルサイネージを活用した3密対策の一例を挙げると、商業施設側が入館者の整列を要望するメッセージや安全対策を記載したテキストを事前に作成し、デジタルサイネージに繰り返し表示することで、無秩序な混雑を防ぎ、安全対策も促せる。NECでは、そのデジタルサイネージの利点に着目し、3密回避に役立つ手段として、“過入場検知デジタルサイネージ”を展開している」と続けた。
過入場検知デジタルサイネージは、宣伝や広告の配信など、従来通りの利用に応じている他、取り付けられたカメラで取得した映像から、設定した人数より多い入場者を専用のシステムがセンシングした場合に、あらかじめ用意した注意喚起のコンテンツを自動で表示する。過入場検知デジタルサイネージを施設の入り口に設置することで、人員を配置することなく、建物内の混雑状況を来場者に伝えられる。
具体的には、過入場検知デジタルサイネージのカメラで撮影した映像から、NECの人数カウント技術を採用した「過入場検知プログラム」で、出入りする人数を測り、入退場者数から施設内の滞留者数を算出して、来館者数が超過した場合はアラートを発報する。なお、カメラは個人情報保護に配慮し、撮影画像は保存しない。
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