2022年6月20日に始まった「無人飛行機の登録制度」では、“未登録”の無人航空機(ドローン)の飛行が原則禁止されている。運用に際しては、機体に登録記号を表示し、電波を使って機体の識別ができる「リモートID」を搭載することも定めている(100グラム以上のドローンが対象)。
ブレイブリッジは、「Japan Drone2022|第7回−Expo for Commercial UAS Market−」(会期:2022年6月21〜23日、千葉・幕張メッセ)で、ドローンに搭載するリモートID端末(モジュール)について、電源供給方法やアンテナの有無など、用途ごとに合わせた複数の製品を出品した。
リモートID端末とひとくくりにしても、ドローンの機体や用途に応じて異なる仕様が求められる。例えば、電源がドローン本体から供給できるのか、アンテナを内蔵するのかといった違いだ。
軽量化のために、本体がカーボン素材のカバーで覆われたドローンでは、アンテナ内蔵型のリモートID端末をカバー内に納めることができない。カーボン素材によって電波が遮断されるからだ。そのときは、リモートIDの端末全体をカバーの外側に取り付けるか、アンテナ部をカバーの外に出す“アンテナ外付け”タイプが適する。
ブレイブリッジは、国内に自社工場を持つ通信デバイス/通信モジュールメーカー。設計/開発から生産までを自社内で行うことで、他社に先駆けた製品展開と圧倒的な低価格を実現している。
ブレイブリッジで営業を担当する梶山有見子氏は、リモートID端末の特徴を性能面から説明する。その1つ、プレイブリッジのリモートID端末は、Bluetooth5.0のロングレンジ規格が使われている。一般的なBluetooth(BLE)では、あまり遠くまで電波を飛ばせないが、Bluetooth5.0のロングレンジであれば、「目視できる範囲くらいはカバーできる」(梶山氏)。
リモートID端末は、登録番号やメーカーの製造番号などの機体情報のほかに、GNSSによる位置情報も発信する。位置情報を使えば、より高度なドローン運用が可能になる。プレイブリッジは、リモートID端末からの電波を受信する受信機も開発している。ドローン上のリモートID端末から発するロングレンジの電波で位置情報を受信し、受信機と無線接続したスマートフォンには、ドローンの飛行軌跡を表示できる。この軌跡はCSVファイルの出力にも対応している。飛行軌跡は、飛行ルートを確認するだけでなく、墜落時の捜索にも役立つ。
ブレイブリッジでは、今後の展開として、電池やアンテナを内蔵したケースタイプと、さらに小型の基盤タイプを予定している。特に小型の基盤タイプは、小さなドローンのユーザーから要望が多いとのことだ。
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