パナソニック EW社の稲継氏は、「ZEB化推進施策連携協定では、大阪府とパナソニック EW社が持つ資源やノウハウを活用し、ZEB建築物の導入推進に向けた取り組みについて相互に連携を図り、脱炭素社会の実現に貢献する他、とくに、既存建築物のZEB化を達成するために、全国に先駆けて事業モデルを作ることを目的としている。ZEB化推進施策連携協定に基づく具体的な取り組みとしては、主に“ZEB化改修の可能性調査”“ZEB化手法の検討”“ZEB化の認知度向上および理解促進”の事業モデル作成を行う」とコメントした。
パナソニック EW社の小西氏は、「ZEB化改修の可能性調査では、大阪府にある3件程度の既存建築物に対して、図面と現地調査に基づき得られたデータを使用するとともに、建築物のエネルギー消費性能計算プログラム“WEBPRO”を用いて一次エネルギー消費量と外皮性能の計算を行い、算出結果のBEI値などを顧客に報告し、ZEB化の可否や改修方法と費用対効果を見える化する。ZEB化改修可能性調査のメリットは、ZEB化のコストが分かり、予算化と設備更新導入へのスムーズな移行を果たせるだけでなく、所管施設のリストから改修しなければならない建物の優先順位付けが行える。なお、ZEB化改修の可能性調査を使用することで、断熱性能の向上を図る躯体改修(壁、窓など)を実施せずとも、老朽化した照明と換気空調の更新により容易にZEB化する建物を判断できる」と述べた。
さらに、「ZEB化手法の検討では、対象の建物がZEB化改修の可能性調査後にZEB Ready以上に対応すると判明した際に、設計・施工、補助金などの申請と交付、ZEB性能を維持する方法について調べる。ZEB化の認知度向上および理解促進では、大阪府内の市町村でZEBを説明するセミナーを開催し、個別相談でZEB化改修可能性の意向をヒアリングするだけでなく、当社がZEB化を手掛けた建物の見学会を開く」と補足した。
今後、パナソニック EW社は、上記の取り組みを事業化して、2023年度に大阪府が所有する施設や民間施設に導入した後、府内自治体の所有施設と民間施設に展開し、2027年度には府外自治体が保有する施設と民間施設に訴求する見通しだ。これにより、2027年度に、ZEB化改修の可能性調査を100件に適用し、受注金額が30億円に到達することを目標に掲げている。
また、ZEBプランナーとしては、2030年度に280件のZEBプラン受注と受注金額220億円を目指す。
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