大堀氏は、従来の建設業界でIT導入が浸透しなかった要因を「今までもITベンダーなどが提案することは多々あった。しかし、建設現場は日々状況が変化するテンポラリーで、多様な人材が就業しており、専門用語が飛び交っている。そのため、ベンダー側で説明不足に陥り、分厚いマニュアルを渡すだけに終わってしまい、結果として有効活用されないことが多い。また、IoT機器などのメーカーや提供会社が分散していることもデメリットだ」と指摘する。
その点、IT監督では、建設業の知見を保有しているため、現場が真に求めているニーズをヒアリングし、豊富なラインアップから合致するサービスを提供できることが他にない強みとなる。
具体的なICTの各種サービスとしては、複数現場を管理する監視カメラの中央制御をはじめ、既に飛島建設で運用している多言語翻訳を備えるスマートグラス、建設キャリアアップシステム(CCUS)とも連動した顔認証による入退場管理システムを用意。ほかにも、ローカル5GやWi-Fiのネットワーク網やマルチデバイスによる運用保守、ヘルプデスクなど、自社開発から他社製品まで幅広いICTのラインアップを想定している。
ECプラットフォームは、建設会社や一人親方の職人、建設メーカー、間接材や事務用品、建設機器のレンタル、損害保険など、あらゆる建設関連企業に開かれたプラットフォームを構築する。当面は工具を対象とし、3年後をめどに建材や保険などのデータも集約することで、請求データが一本化され、バックオフィス業務の軽減につなげるを見込む。ゆくゆくは、購買分析、ジャストインタイムの配送、BIM連携の機能も追加し、メーカーとユーザーの双方で、建設を取り巻く調達や物流のサプライチェーンの最適化も構想している。
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