飛島建設は、現場で工具や資材を購入できるEC機能を有するデジタルサイネージシステム「e-Stand」に、建設キャリアップシステムに対応した顔認証で現場の入退管理を行う新システムを連携させた。
飛島建設は、2019年10月から全国の建設現場約150カ所に、NECの顔認証技術を活用した技能労働者の入退管理サービス「建設現場顔認証forグリーンサイト」を採用した。飛島建設が開発した多機能デジタルサイネージ(DS)システム「e-Stand」と連携することで、同社が手掛ける全ての建設現場で導入されることになるという。
建設業界で深刻化する人手不足に対し、2019年4月から官民一体となり、技能者の資格や社会保険の加入状況、現場の就業履歴などを業界横断的に登録や蓄積をする「建設キャリアアップシステム」の本運用が開始された。これを受けて飛島建設では、既に現場で運用しているDSシステムのe-Standに、建設キャリアアップシステム対応の建設現場顔認証forグリーンサイトを連携させた。
建設現場顔認証forグリーンサイトは、MCデータプラスが提供しているグリーンファイル(労務・安全衛生に関する管理書類)に関する作成から提出までの一元的なサービス「グリーンサイト」に、NECの顔認証技術を組み合わせ、建設現場用としてカスタマイズしたもの。これまでの入退管理システムは、カードやQRコードで管理するのが一般的で、現場事務所では新たにカード/QRコードリーダーなどの端末を準備する必要があったが、専用アプリとNECの顔認証AIエンジン「NeoFace」により、作業員のスマートデバイスさえあれば入隊管理が実現する。
入退場の流れとしては、事前に技能労働者のスマートフォンにアプリケーションを設定する。現場では、アプリを起動し、スマホのカメラで自身の顔を読み取ることで、入退場の打刻情報が入力される。GPS位置情報も読み取っているため、どの現場での入退場なのかも識別。取得した各種データはクラウドに上がり、グリーンサイトから、各種帳票が出力される。
これまでのように事務所での固定端末による入退処理ではないため、手続き待ちの行列も発生せずスムーズな入退ができるとともに、紙ベースではなくクラウド上でデータ共有するため、現場監督者の負担軽減にもつながる。
飛島建設では、e-Standを共創プラットフォームと位置付けており、他のゼネコンとも協力し、今までのようにゼネコンごとに開発していたシステムを建設現場で横に連携して、業界全体での生産性向上に寄与していく方向性を打ち出している。
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