大和ハウス工業の瀬口氏は、「当社は、マンション事業で、新型コロナウイルス感染症の対策として、専有部に関しては、抗菌製品技術協議会(SIAA)に加盟し、室内の部材に抗ウイルスの建材を採用している。一方、共有部では非接触化を進めている。しかし、入居者は、スマートキーなどを活用しタッチレスでエントランスから専有部まで足を運べるが、来訪者は入居者の呼び出しでロビーインターフォンに触れなければならなかった。そこで、パナソニックとアスカネットとともに、空中タッチインターホンの試作機を開発し、今回の実証実験をするに至った」と説明した。
続けて、「実証実験では、約6カ月の期間で、マンションサロンの見学を予約して、来館した人を対象に、空中タッチインターホン試作機の操作性、画面の高さ、明るさ、耐久性、安心感を検証する。その後、実験で得られたデータを基に、当社が開発する分譲マンションに設ける共用部の“総非接触化”を推進する」と付け加えた。
大和ハウス工業の山下氏は、「空中タッチインターホンの発売は2023年7月頃を予定しており、既存のマンションへの取り付けだけでなく、告知機能やコンシェルジュ機能などを追加し、オフィスや店舗などに配置することも視野に入れている」と話す。
パナソニック エレクトリックワークス社の猶本陽介氏は、「国内では、新型コロナウイルス感染症の拡大で、一般消費者の衛生意識が高まり、非対面と非接触のニーズが増加した他、外出抑制により、Eコマース利用が増え、宅配業者が家に訪れる機会がアップしている。こういった背景を踏まえて、大和ハウス工業が行う“共用部の総非接触化”という構想に賛同し、実証実験に参画した」と語った。
検証期間は2022年1月15日から約6カ月程度の期間。空中タッチインターホンの設置場所は、マンションサロンで、所在地は神奈川県川崎市高津区溝口2丁目26-8。なお、プレミスト津田山への空中タッチインターホンの導入は予定していない。
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