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» 2021年01月14日 06時11分 公開

スマートシティー「Fujisawa SST」で“暮らしをアップデート”する非接触のロボット配送サービスロボット(1/2 ページ)

パナソニックは、神奈川県藤沢市でスマートシティー構想を進めている「Fujisawa サスティナブル・スマートタウン(Fujisawa SST)」で、ロボットを使用した住宅街での配送サービスの実証実験を行っている。実験は2段階に分かれ、2020年末に公道でのロボットの自律走行を検証したことを踏まえ、2021年2月からは住民などに非接触での配送サービスを体験してもらい受容性を確認する。

[石原忍,BUILT]

 パナソニックは2020年11月から2021年3月までの期間、神奈川県藤沢市の「Fujisawa サスティナブル・スマートタウン(Fujisawa SST)」で小型低速ロボットを用いた住宅街向け配送サービスの実証実験を開始した。2020年12月7日には、実証実験に関する説明会を開催した。

“Last 10-mile”の住宅街でのモビリティソリューション

「Fujisawa サスティナブル・スマートタウン」でのロボット配送サービスのデモ

 説明会でパナソニック モビリティソリューションズ担当参与 村瀬恭通氏は、変革するモビリティへの挑戦と同社が位置付ける小型低速ロボットによる住宅街向け配送サービスの意義を説明した。

 「最近は、eコマースやフードデリバリーで配送が盛んになってきているが、配送員の不足やコロナ禍での非接触など、これまでに無かった対応が求められている。当社では2018年に創業100周年を迎えたことを機に、“暮らしのアップデート”を掲げ、家の中だけでなく生活圏にまで視点を広げて、キーとなる移動の在り方を見なすこととした」(村瀬氏)。

パナソニック モビリティソリューションズ担当参与 村瀬恭通氏

 その後、2019年11月からは本格的にモビリティソリューションの開発に乗り出し、「エリアモビリティ(自動化)」「Eフリート(電動化)」「社会インフラ(コネクティビティ)」の3つの領域に注力。今回のFujisawa SSTでの取り組みも、この一つエリアモビリティに該当する。

 先行して2019年10月にモビリティの実験を行った大阪・門真市の本社では、自社の構内にテストフィールドを限定して、自動運転車両を社員がシェアするサービスを試験運用した。しかし、Fujisawa SSTでは、その先の“Last 10-mile”と称する住宅街という人の生活圏へと対象を一段階上げ、「ロボットをただ走らせるだけでなく、生活やコミュニティーに直結して、(暮らしの中にある)課題をモビリティでどう解決するかに挑戦する」(村瀬氏)。

 実験の場となるFujisawa SSTは、敷地面積19ヘクタールに及ぶパナソニックグループ工場の跡地で2014年に街びらきをし、さまざまな先端技術を導入したスマートシティー構想を進めている。構想では、戸建て住宅や集合住宅の居住者は合計2000人だが、蔦屋書店を中核とした商業施設「湘南T-SITE」や次世代物流センター「Next Delivery SQUARE」、保育から教育、介護までをカバーする複合施設「Wellness SQUARE」などがあるため、エッセンシャル・ワーカーをはじめとする働く人や来街者なども含めた多様な人々とともに、「共生」での街づくりを行っている。

 モビリティの実証実験も同様で、村瀬氏は「私のではなく、住民や自治体、民間企業をも巻き込んだ“私たち”で、街に最適な新たなビジネスとなるモビリティサービスの創出を目指したい。とくにモビリティサービスは、レギュレーションを伴うことから、自治体や事業者との連携は欠かせないもので、モノを運ぶだけでなく新規ビジネスの創出も見据えている」とした。

「Fujisawa サスティナブル・スマートタウン」の概要
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