今回のモデルのベースとなったのは、既にユーザーへ提供を開始している「Archicad 23」のサンプルプロジェクトである。また、審査に必要となる情報の明示事項に関しては、「既にモデルが備えている情報をうまく活用すること」や「できるだけモデルと連動した表記方法とすること」などを意識しながら取り組んだ。
鈴木氏は、各図面のポイントと共に、実際にArchicad上でどのようにデータが作成されているかを説明した。
審査に限らず多くの情報がまとめられている配置図は、図面表現にあたってはユーザーもさまざまに工夫しているが、審査検証では建物は3Dドキュメント、敷地関係については平面でそれぞれ作成し、最終的にはレイアウト上にまとめて表現した。ソース類を確認してみると、3Dドキュメントには建物に関わる情報が追記され、参照機能を使用すれば完成形を見ながら加工することも可能となっている。
ここでグラフィソフトジャパンが提供する確認申請用モデルデータのダウンロード方法について一連の流れを示すと、
1.「GRAPHISOFT Webサイト」トップページへ
2.上部ヘッダーメニューから「サポート」→「ダウンロードセンター」≫
3.中ほどにある「トレーニングマテリアル」→「トレーニングマテリアル」ページ≫
4.「Archicad確認申請サンプルプロジェクト」の項に「ダウンロード」と詳しい情報ページ(「Archicad確認申請サンプルプロジェクトページ」)へのリンク≫
5.ページ下の「ダウンロードボタン」→「入力フォーム」に必要事項を入力し送信ボタンをクリック≫
6.入力したメールアドレス宛にダウンロード用のURLが到着する≫
Archicadのクラウドサービス「BIMcloud」を介した確認申請では、まず、確認申請の申請者はBIMcloud上でプロジェクトの共有とHyper-Modelの発行を行う。するとArchicadとBIMxから相互にメッセージなどを送信できるようになり、両者間の自由なやりとりが可能となる。もちろんプロジェクトごとにアクセスできるユーザーを制限できる。
以下は、BIMcloud環境下での確認申請の申請者と審査側の相互やりとりの流れとなる。
【審査側】
【申請者側】
【審査側】
このようにクラウドのBIMcloudを仲介して、プロジェクトを共有することで、図面を見たり操作したりする作業の延長として、申請者と審査者のシームレスなやりとりが可能となる。情報やデータの管理で整理すべき課題はまだまだ多いが、BIMを活用した確認申請におけるコミュニケーションの在り方の1つとして、検討に値するワークフローといえるだろう。
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