ロボット施工は、溶接に続き、資材の自動搬送、床貼り、巡回を行う自律型ロボットを順次投入。作業指示を与えて稼働するアシストロボットで、石膏(せっこう)ボードの切断や岩綿の吹付け、清掃などを行っている。
また、BIM生産連携では、設計者が作成した設計データをBIMモデルに一元化して、見積から発注、施工に至る各種業務を効率化する。例えば、鉄骨の見積・発注、複雑な形状をした部位の納まりや施工方法の検討、デジタル承認、3次元曲面部材の3DプリンティングなどのBIMデータ活用を展開している。
今後、清水建設ではA街区で培ったデジタルものづくりのノウハウを、国内外の他の現場にも水平展開していく考えを示している。
森ビルや日本郵便が参画する虎ノ門・麻布台プロジェクトは、総延べ床面積は約86万1500平方メートル、オフィス総貸室面積は21万3900平方メートル、住宅戸数は約1400戸の規模を計画。開業後には就業者数約2万人、居住者数約3500人、想定年間来街者数2500〜3000万人を見込み、そのスケールとインパクトは六本木ヒルズに匹敵し、森ビルでは“ヒルズの未来形”と位置付けている。2021年2月にはA街区に、世界有数のスモールラグジュアリーリゾートとホテルを擁する「アマン」とのパートナーシップにより、スパなども備える91戸の高級住宅「アマンレジデンス 東京」、アマンの姉妹ブランドで日本初進出のラグジュアリーホテル「ジャヌ東京」が開業することも発表している。
施工者は、A街区(メインタワー)とB-2街区(東棟)が清水建設、B-1街区(西棟)が三井住友建設で、完成は全て2023年3月31日の予定。
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