豊洲スマートシティーで大規模オフィスビル「メブクス豊洲」竣工、清水建設の“建物OS”を実装スマートシティー

国土交通省がスマートシティー先行モデルプロジェクトの1つに選定した清水建設が手掛ける「豊洲スマートシティー」で、中核となる大型オフィスビル「メブクス豊洲」が完成した。メブクス豊洲には、清水建設がBIMをベースとする建物OS「DX-Core」を実装し、ビル内で取得したさまざまデータを活用して、オフィスワーカーの生産性・利便性向上につながるサービスを提供する。

» 2021年09月09日 15時00分 公開
[BUILT]

 清水建設が東京・豊洲地区で開発を進めている「(仮称)豊洲六丁目4-2・3街区プロジェクト」の開発区域内で、大規模賃貸オフィスビル「メブクス豊洲(MEBKS TOYOSU)」が2021年8月31日に竣工し、同年10月下旬からテナント企業の入居を開始する。

 豊洲六丁目4-2・3街区では、共立メンテナンスが運営するアーバンリゾートホテル「ラビスタ東京ベイ」や街区中央に位置する交通広場のバスターミナル機能を核とした都市型道の駅「豊洲MiCHiの駅」の開業を2022年春に予定している。清水建設では、多様な機能が集積する当街区全体を「ミチノテラス豊洲」と命名し、快適で活力に満ちたQOL(Quality of Life)の高い新たな街づくりに取り組む。

建物内のあらゆるデータを相互連携する建物OSを実装

「メブクス豊洲(MEBKS TOYOSU)」の外観 出典:清水建設

 2019年4月に着工し、2021年8月に完成したメブクス豊洲の構造・規模は、鉄骨造(免震構造)地上12階(塔屋1階)建て、延べ床面積は約8万8000平方メートル。各階の用途は、1階が店舗/駐車場/交通広場、2階が店舗/オフィスエントランスホール/広場状デッキ、3〜11階がオフィススペース、12階が屋上庭園。

 所在地は東京都江東区豊洲六丁目4番34号で、「東京」駅から4キロ圏内に位置し、東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ)「市場前」駅と隣接し、首都高速道路「豊洲I.C.」にも近接している。周囲には、豊かな緑や穏やかな水景が広がり、都心近接の利便性と豊潤な自然が調和する希少な立地環境となっている。

「メブクス豊洲(MEBKS TOYOSU)」のエントランスホール 出典:清水建設

 オフィス施設としては、「多様性・機能性・快適性」を追求し、テナント企業が自ら新しいワークプレースを創出できるオフィス環境を提供。1フロア約2000坪の専有部は、広範なヘビーデューティーゾーンや給排水対応スペースを備え、フレキシブルなレイアウトに対応する。また、3階、9階、11階は、天井高を3.5メートル(11階の一部は天井高6メートル)とし、研究開発施設、テストキッチン、ショールーム、スタジオなど多様な利用方法に応える設(しつら)えとしている。各フロアの外周にはバルコニーを配置し、仕事の合間にいつでも眺望、自然光、風を感じ取ることができる快適な執務環境を創出した。

 また、フロア中央の共用部は、やわらかな自然光が降り注ぐアトリウムとし、解放感に溢(あふ)れた空間内に、ワーカーの交流の場となるコミュニケーションカウンターやコラボレーションスペースを整備。最上階の屋上庭園にも、ベンチやパントリーを設置し、憩いの場や屋外ワークプレースとしての利用を見込む。

「メブクス豊洲(MEBKS TOYOSU)」の屋上庭園 出典:清水建設

 一方、運用面では、建物内の建築設備やIoTデバイス、各種アプリケーションを容易に相互連携できる建物オペレーティングシステム(建物OS)「DX-Core」を実装。施設の稼働後には、DX-Coreのデジタルプラットフォーム機能を活用して、館内の混雑状況を確認したり、会議室を予約したりといったオフィスワーカーの生産性・利便性向上に資する先進的サービスを専用ポータルサイトを介して提供する。DX-Coreは、時代やニーズの変化を踏まえて提供サービスをアップデートしていく。

「DX-Core」の概念図 出典:清水建設

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