竹中工務店は日本システムウエア(NSW)と共同で、産業用スマートグラス「RealWear(HMT-1)」とMicrosoftのビデオ会議システム「Microsoft Teams」を組み合わせた遠隔臨場システムを構築した。両社は引き続き、RealWearとMicrosoft Teamsを活用した現場作業のデジタル化を推進し、熟練者の若手技術者支援や建設現場の安全巡回点検などに適用していく。
ITソリューションプロバイダーの日本システムウエア(NSW)は、竹中工務店の建設現場で、遠隔支援による業務効率化を目的に、産業用スマートグラス「RealWear(HMT-1)※1」を活用した検証を2020年11月〜2021年6月に実施したことを2021年7月27日に発表した。
※1 RealWear:音声認識により100%ハンズフリーを実現する産業用スマートグラス。テレビ会議ソフトウェアを使った遠隔作業支援や制御システム、センサーを活用したIoTプラットフォーム連携、作業手順を表示し作業内容を記録する作業管理などの用途で使われている
新型コロナウイルスの影響が長引く中、建設現場では、人の移動制限により専門知識を持つ職員が現地で問題に対応ができないことによる工期遅れが懸念されている。そこで、両社は、竹中工務店がすでに社内でコミュニケーションツールとして活用しているMicrosoft製のビデオ会議システム「Microsoft Teams」に、NSWが提供する「RealWear」を組み合わせ、事務所と現場間のリアルタイムな情報共有や遠隔支援を行えるかを検証した。
今回の検証では、RealWearを装着した作業者が、遠隔地にいる複数の担当者とMicrosoft Teams経由で現場の映像を共有し、遠隔臨場を効率的に行う仕組みを構築した。操作に慣れているMicrosoft Teamsを活用したためスムーズに扱え、遠隔臨場による作業時間の短縮や移動時間の削減を実現。
さらに、多くの関係者が参加することで手戻りの防止や立会の日程調整を臨場検査時間帯のみで行えるなど、生産性向上の効果を確認した。また、RealWearを用いることでハンズフリーが可能となり、高所作業などを安全に行えるようになった。今後の実運用では、対象業務にかかる時間をこれまでと比較して30〜50%減らせることを見込んでいる。
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