音声や画像で遠隔作業を支援可能なSaaSと映像取得で役立つスマートデバイスOPTiM INNOVATION 2020(1/2 ページ)

兼松コミュニケーションズは、遠隔地から現場の作業者に指示が行えるオプティム製のSaaS「Optimal Second Sight」とさまざまなデバイスを組み合わせたサービスの開発を進めている。近年は、国内の事業所から海外の現場で働く作業員に指示が送れるサービスの開発も手掛けている。

» 2021年01月14日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]

 オプティムは、建設分野で役立つAI・IoTソリューションの最新活用事例などを紹介するイベント「OPTiM INNOVATION 2020(会期:2020年10月26〜27日)」をオンラインで開催した。

 会期中に、繰り広げられたセミナーの中から、兼松コミュニケーションズ 第二法人事業部 モバイルソリューション 営業部 三上景三氏の講演「コロナ禍、期待される遠隔作業支援」を採り上げる。

 会場では、オプティム製の遠隔作業支援SaaS「Optimal Second Sight」やエプソン製スマートグラス「BTシリーズ」、Vuzix製スマートグラス「M400」、キャタピラー製スマートデバイス「CAT S61」といった現場でのリモートワークを実現する製品群について説明した。

音声やテキストなどで作業指示が可能な「Optimal Second Sight」

兼松コミュニケーションズ 第二法人事業部 モバイルソリューション 営業部 三上景三氏

 兼松コミュニケーションズは、1974年に設立した会社で、移動体通信機器や関連機器の販売、携帯電話関連ASPサービスを提供している。また、デンマークに本社を構えるSecomeaのリモートアクセスソリューションやOptimal Second Sightなどを組み合わせたサービスを展開する他、遠隔作業をサポートするゲートウェイやスマートデバイス、ウェアラブル端末、通信サービスも提供している。

 三上氏は、「リモートで作業を支援するサービスは、建設業で深刻な作業員の高齢化や人材不足、長時間労働、生産性の低迷を解消するのに役立つ。また、新型コロナウイルス感染症の影響で、各社で推進する非接触の取り組みやテレワーク、業務のDX化にも貢献する」と利点を語った。

 ビルメンテナンスの遠隔支援や建物の査定業務に活用されているOptimal Second Sightは、現場の作業者がスマートフォンやウェアラブルカメラなどで取得した映像をオペレーターのPCと共有でき、オペレーターはリアルタイムに音声で指示が行え、共有された映像に赤字や指さしマーク、移動メッセージで指摘も可能。

「Optimal Second Sight」の特徴

 「オペレーターから画像ファイルとURLも送れ、作業手順を説明する画像と資料を現場のスタッフに送信することで、業務の円滑な遂行を促せる。Optimal Second Sightを用いて得られた映像は、MPEG4形式で録画でき、オペレーターのPCに残せ、赤字で映像に描画したデータの保存にも応じており、映像から静止画も撮れる」(三上氏)

「Optimal Second Sight」の画面

 現場の作業者が携帯する端末でOptimal Second Sightに接続する方法は「メンバーコード」方式と「ワンタイム受付番号」方式の2種類がある。メンバーコード方式は、各デバイスに割り当てられたメンバーコードを専用アプリに入力して、指示者または作業者が電話をかける要領で双方向からOptimal Second Sightを使える。あらかじめ端末にメンバーコードを登録することも可能。

 ワンタイム受付番号は、作業者が専用アプリを起動する際にランダムで表示される4桁の番号をオペレーターに通知し、オペレーターが受け取った番号をシステムに入力することで、Optimal Second Sightを利用できる。作業者とオペレーターともに、システムへのログインが不要で、迅速にOptimal Second Sightにアクセスする。

「Optimal Second Sight」の機能
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