ブースでは、GNSSを手軽に活用するための機器も紹介した。GNSS受信機は、衛星からのデータを受信して、現地の位置座標を得る。しかし、装置を水平に保った状態で計測しなければならなかった。
その点、測量用GNSS受信アンテナ「GS18」には、本体に傾き補正を備えている。これによって、本体が斜めでもGNSSによる測量が可能となった。これまで時間と手間が必要だった水平出し作業が不要になると、現地での測量作業のスピードアップにつながる。
GS18のユニークな特徴として、本体にカメラを搭載していることが挙げられる。GNSSデータと同時に周辺の撮影ができるため、後にPCから指定することで、任意地点の座標値を知る際に利用する。一例として、交通量が多い道路の向こう側や回り道しないと到達できない大きな河川の対岸座標軸も、GS18のデータがあれば容易に取得できる。
現状の測量現場では、トータルステーションが普及している。しかし、トータルステーションほどの精度が必要でなく、もっと短時間で測量を行いたいというニーズがある場合には、GS18は適している。
前出の片桐氏は、「GNSSの精度がよくなったこともあり、測量業務のおよそ9割をGNSSで行うユーザーも増加している」と語る。絶対に押さえておかなければならない端点などはトータルステーションを使い、それ以外をGNSS測量機で補完するような使い方が増えつつあるという。
出展ブースでは、この他にも現場の墨出しを効率的に行う機器や重機に搭載して出来形をリアルタイムで見える化するソリューションなども紹介した。
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