イクシスは、「社会インフラテック2019」で、インフラ構造物を対象にした点検ロボットを多数出展した。ワイヤ吊り下がりやマグネット張り付け、水中対応など、構造物の性質に応じて使い分け、全ての社会/産業インフラの点検をロボットに置き換えることを目指している。
イクシスは、インフラ維持管理・老朽化対策総合展「社会インフラテック2019」(会期:2019年12月4〜6日、東京ビッグサイト)で、インフラ構造物の点検を行う自社開発のロボット群を出展した。
2019年10月にリリースした新機種の昇降ロボット&3Dスキャナー「VAN-BO」は、自動昇降型とマニュアル昇降型の2タイプ。ライカジオシステムズの軽量コンパクトな3Dスキャナー「Leica BLK360」を搭載し、三脚にスキャナーを設置した時に比べ、高密度な点群データや画像を広範囲に取得し、高所や狭隘(きょうあい)エリアの点検業務を支援する。
VAN-BOのサイズは、300(幅)×1815(高さ)×500(奥行き)ミリ。電力は外部から給電し、駆動方式は左右が独立して動く。移動はスムーズのため、短時間で空間全体または構造物全体のデータを集められる。
取得したデータは、点検損傷画像と重ね合わせられ、経年劣化を一目で把握。ドローン点検との比較では、3Dスキャナーを積んだドローンが数千万円と高額なのに対し、計測機器と同水準の価格帯を実現している。
イクシスブースでは他に、ワイヤ吊(つ)り下げ型目視点検ロボット「Rope Stroller」、マグネット式全方位検査ロボット「MagBug」、床面ひび割れ検知ロボット(手動型)「Floor Doctor」、東京電力ホールディングスと共同開発した小型潜水艦「eye-Snails」も出品した。
Rope Strollerは、ワイヤ架設式のため、橋梁(きょうりょう)の床版や桁、煙突やタンクといったプラント、ダムの表面コンクリート、ビル壁面などの幅広い点検用途で導入が見込める。ワイヤで構造物に水平または垂直に吊り下げるため、ドローンのように雨天や強風の影響を受けず、落下の心配もない。
撮影方法は搭載している6軸姿勢センサーで、対象面を正対に写し、LANケーブルの有線式で遠隔から手持ちのディスプレイを見ながら撮影することも可能だ。
また、位置情報も同時に取得しているため、図面との紐(ひも)づけで、帳票の作成時間が80%ほど短縮される。
機体サイズは、633(幅)×289(高さ)×594(奥行き)ミリ。重さは約15キロで、ワイヤの長さは最大50メートル。カメラはデジタル一眼とコンパクトデジタルで、画角の調整はPan軸±30度、Tilt軸±30度。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.