ライカジオシステムズは、「第3回 建設・測量生産性向上展」で最先端のレーザー測量に関する製品展示を行った。なかでも、不動産の内見などで活用が広がるVRコンテンツの制作に用いるハンディタイプのレーザースキャナー、GNSSを手軽に活用するための受信アンテナは、来場者の関心を集めた。
ライカジオシステムズは、計測および測量の分野で長年の歴史を持ち、現場での測量から3Dモデル作成までをトータルで効率化できるソリューションを提供している。「第3回 建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO)」(会期:2021年5月12〜14日、幕張メッセ)の展示では、目立つ場所にレーザーを利用して現場の状況を3Dデータ化する3Dスキャナーを展示し、その特徴をアピールした。
3Dスキャナーにもさまざまなタイプがあり、ライカジオシステムズでは、重さ1キロ以下の小型軽量タイプから、半径1キロの範囲をスキャンできる大型機器まで、用途に合わせた製品群を取りそろえている。
ブースで説明にあたっていたマーケティング部 片桐佳江氏は、「どのような対象物をスキャンするか、また取得したデータをどう活用するか。さまざまな用途で要求される精度に応じて使い分けられるラインアップだ」と話す。
例えば、小型軽量の「BLK2GO」は、片手で持てるサイズで、歩行しながらデータが取得できるハンディ型イメージングレーザースキャナー。
これまで、移動しながらの3Dスキャンは、背負うタイプの大型スキャナーが一般的に使われていた。しかし、機器が大掛かりなため取り扱い難しく、価格も高額なのがネックだった。BLK2GOは、こうした状況を一変させ、3Dスキャン自体のハードルを下げ、誰もが手に取りやすくさせたモデルといえる。
ハンディタイプのスキャナーは現在、360度のVRコンテンツ作成に利用されることが多いという。文化財や観光地などのVRコンテンツを手軽に作りたい要望や不動産会社が新築マンションの室内をスキャンして内見をVR化するといった測量だけではない、新たな使い道も見いだされている。
とくに、感染防止の観点から現地に人を呼べないコロナ禍の現在では、蜜空間となってしまうモデルルーム内で係員が案内を行うのは好ましくない。この点、室内をあらかじめVR化/パノラマ映像化しておけば、顧客は現地に出向かずに、Web上で自宅に居ながらにして内見してもらえる。
また、内見以外でのVR化のメリットとしては、現地に足を運んだり図面を確認したりしなくても、必要な箇所の寸法を計測。カーテンレールの長さや家具を置くためのスペースの広さなども、いつでもどこにいても、Webやクラウドを介して、確認できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.