コンクリートの締固めをAIで判定するシステムを開発、安藤ハザマAI

安藤ハザマと金沢工業大学は、深層学習を活用した「コンクリートの締固めAI判定システム」を開発した。安藤ハザマらは、新システムのプロトタイプを用いた実地試験をコンクリート製品工場で実施し、AIによる締固めの完了および未完了の判定結果をリアルタイムに表示できることを確認した。今後、安藤ハザマは、判定プログラムにさらなる改良を施し、同社のコンクリート製品工場(屋内施工)への展開を目指す。

» 2021年08月12日 07時00分 公開
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 安藤ハザマと金沢工業大学は、深層学習を活用した「コンクリートの締固めAI判定システム」を開発したことを2021年6月21日に発表した。

コンクリート専門家の判断をベースにAIが判定

 コンクリートは、構造物の設計および施工条件に合わせて所要の品質(圧縮強度、耐久性など)が得られるように配合選定が行われる。しかし、適切に選定されたコンクリートであっても、適切な打込み・締固めが実施されないとコンクリートの性能は最大限には発揮されない。一方、コンクリートを締固めする作業の完了時期は、作業従事者の経験に基づく目視評価を基に判断されており、その判断は人によって異なるという課題があった。

 また、近年、業界では、建設業就業者の減少による労働力不足や熟練工の減少による品質低下が懸念されており、コンクリート工の生産性向上と作業従事者の力量に依存しない技術の開発が求められている。

 コンクリートの締固めAI判定システムは、従来の目視評価を土台に判定手法の代替として、深層学習に基づく判定手法を提案するもの。具体的には、コンクリート専門家の判断をベースに、完了判定をAIが深層学習によって繰り返し学習することで、コンクリートの専門家による完了判定に近い判断を実現する。

コンクリートの締固めAI判定システムの概要図 出典:安藤ハザマ

 さらに、判定プログラムを搭載したPCにビデオカメラで撮影した締固めしているコンクリート表面の映像を転送し、リアルタイムに締固め判定を行い、その結果をモニター上へ映す。加えて、撮影した映像は、システムが、メッシュ状に自動分割(プロトタイプでは24分割)してメッシュごとに判定し、締固め未完了の場合は赤色、締固め完了の場合は緑色に枠の色を変化して表示する。

判定結果の表示状況 出典:安藤ハザマ

 安藤ハザマによる現場での試験では、今回のシステムで、コンクリート締固め作業に従事する技能者に、AIを用いた締固めの完了判定結果をリアルタイムに示せた。これで、作業従事者の力量に依らない締固め判定ができるようになり、コンクリートの施工品質が安定した。

新システムの現地での試験 出典:安藤ハザマ

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