以上、17日の初日だけでも多くの刺激をいただけるであろうが、フォーラムウイークは始まったばかりである。2日目は、2021年度の日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)を受賞した優秀FM賞5件の講演である。
それぞれ最前線のFMを、FM実践者(発注者)自らが語る内容については、建築関係者にとって見逃せない内容となっている。
1.【最優秀FM賞(鵜澤賞)】
・聖路加国際病院・聖路加国際大学のファシリティマネジメント実践(聖路加国際大学)
2.【優秀FM賞(特別賞)】
・教職協働で学生を育てる、大学における新しいワークプレース(梅光学院)
3.【優秀FM賞】
・物流倉庫のメガプレートオフィスと成長するオフィスの取組み(梓設計)
4.【優秀FM賞】
・資生堂のワークプレース戦略とFM部門の使命〜ワークスタイルコンセプトを実現する取組〜(資生堂)
5.【優秀FM賞】
・ニューノーマルに向けた分散型イノベーションオフィス(NECネッツエスアイ)
3日目は、シンポジウム3題が行われる。
1.【SDGs/ESGシンポジウム】
「SDGsから考えるFMの未来」
2020年2月のFMフォーラム2020にて、テーマタイトル「SDGsで社会・FMはどのように変わるか」で、SDGsの基本的な方向性と考え方について議論し、それを皮切りに、JFMA内にタスクフォースを発足。多くの識者にWebインタビューを敢行し、その経過を「機関誌JFMAジャーナル」No.201(2021年1月20日号)に掲載した。本シンポジウムは、インタビューにも参加してもらった「SDGsが問いかける経営の未来」(日本経済新聞出版社刊)の著者・山田太雲氏、「ESG思考」(講談社+α新書)の著者・夫馬賢治氏の2人の論客をお迎えし、JFMAのSDGsタスクフォースリーダーの似内志朗氏ら、3人から「SDGsから考えるFMの未来」に関する示唆をいただく。
2.【FMテックシンポジウム】
「デジタル社会に対応したFMテック最新潮流」
AI(人工知能)やIoT(Internet of Things)をはじめとしたデジタルテクノロジーは急速に進化し、コストの低廉化も相まってその活用範囲を大きく広げている。FM分野でも、デジタル化を最大限に生かし、これまのでビジネスの業務革新のみならず、より高い付加価値を顧客に提供することや新たなビジネスモデルを創出することが求められている。
本シンポジウムはFMテックの最新動向や萌芽的取り組みを紹介するとともに、野村総合研究所 上席コンサルタント 榊原渉氏とJFMAフェローの松岡利昌氏、似内志朗氏らによるパネルディスカッションでその議論を深める。
3.【インフラマネジメントシンポジウム】
「高専生がアイデアを競うインフラの未来“インフラテクコン2020”始動!」
日本では今、多くのインフラが老朽化し、更新投資の増大が見込まれる一方、少子高齢化や人口減少、自然災害の激甚化と頻発など、変わりゆく社会課題への対応も急務である。それらの方策としては、地域共創・協働を推進する役割が求められている。そのため、地元と技術に深い愛情を持つ高専生を実現するプレイヤーと捉え、コンテストを企画した。全国の高専生から、初回にもかかわらず、多くの応募が寄せられ、彼らの考えインフラストラクチャの未来とはどのようなものか。そして、丸山久一審査員長と中澤祥二福委員長からのメッセージと共に、その第1回となる 「インフラテクコン2020」の受賞者と受賞事例を発表する。
以上は、ライブ配信で、その時間のみ視聴できる。さらに、2週目の企画講演、応募講演、JFMA調査研究部会講演は、オンデマンド配信のため、22〜26日まで自由な時間に視聴することも可能だ。
FMフォーラムは、最新のFMを知れる素晴らしい機会であり、今回のWeb配信により、容易に視聴することができるので、ぜひ興味あるFMのテーマに触れていただければ幸いである。
★連載バックナンバー:
『いまさら聞けない建築関係者のためのFM入門』
■第8回:FMにBIMを活用する(その2)「JFMAのBIM・FM研究部会の活動とFM的発想“使う側の視点”」
■第7回:FMにBIMを活用する(その1)「国土交通省 建築BIM推進会議から考える」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.