施設業務を止めず保全工事を行う日本メックス、高い技術力を支える充実の“人財育成術”ファシリティマネジメント フォーラム 2020(1/2 ページ)

日本メックスは1972年の創業以来、建物の維持管理・保全工事を数多く手掛けている。豊富な実績を支えているのは、他ならぬ高度な技術や知識を持った人財の育成にあり、現在では4種類の社員教育をはじめ、品質向上と事故撲滅を目的とした自社トレーニング施設を運用するなど、充実した人材育成術を確立している。

» 2020年05月14日 06時13分 公開
[川本鉄馬BUILT]

 日本メックスは、日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)が主催した「ファシリティマネジメント フォーラム 2020」(2020年2月19〜21日、タワーホール船堀)で、「品質&安全確保のための研修施設活用の取り組み」をテーマに講演を行った。登壇者は日本メックス 技術部 ラーニングセンタ 担当課長 柳(木ヘンにタ)澤庸治氏。

施設の運用を止めずに、メンテナンスや保全工事

 日本メックスは、建物や設備の維持管理、保全工事を軸に事業を展開している。近年は、建物の整備計画の策定支援や建物機能把握のための調査・診断などを行う、“ライフサイクルコンサル事業”にも事業を広げている。

日本メックスの企業理念

 同社は「建物とともに生きる」という企業理念を掲げており、柳澤氏は、「建物を知り、建物を大切にし、建物を生かすことにより、持続可能な社会の発展に貢献したい」と、その思いを口にした。

 社会インフラの老朽化や少子高齢化、地球環境の変化など、数多の社会問題が顕在化している現状に対しては、「建物に関わっていく上で、少しでも課題解決に挑み、新たな価値を生み出し、世の中の役に立つ会社であり続けたい」と自社の役割を強調した。

日本メックス 技術部 ラーニングセンタ 担当課長 柳澤庸治氏

 持続可能な社会を実現すべく日本メックスでは、通信ビルやデータセンター、病院といった“高機能ビル”にも対応した保守技術を保有。維持管理では、設備などの運転監視をはじめ、正常運転を実現するための点検・整備以外にも、修理などの受付・手配といった周辺のサービスも含んでいる。「遠隔監視や24時間365日の受付などを通じ、顧客のニーズに合致した総合的なサービスを日々提供している」(柳澤氏)。

 日本メックスのサービスで特徴的なのは、維持管理や保全工事で、稼働中の施設や機器を止めずに作業が行える点だ。通信や医療などサービスを中断することが許されない高機能ビルで、閉鎖することなく、通常業務を継続した状態で各種工事やメンテナンスを完遂する。工事対象のビル内では、社員が執務室で仕事をしていても全く問題はないという。

 柳澤氏は、「顧客の業務や機械を停止することなく、安全で確実に行う建築設備の工事を得意としている」と話すが、これを可能にするには安全や技術に関する“高度な人財教育”が欠かせない。

充実した育成プログラムで社員のスキル向上を確実に

 日本メックスでは、社員が学ぶ機会を「研修」「資格」「eラーニング」の3タイプで提供している。このうち、研修は、新卒から管理職まで、立場や経験、技能に応じて学べる講座を年間約60回を実施。具立的には、技術者向けに品質と安全技術の向上を目的としたテクニカルスキルの他、営業用の営業スキル、ビジネス全般の機能を向上させるビジネススキルのテーマが用意されている。柳澤氏は、研修のコンセプトを「あえて、しんどいものとして、それによって研修生が多くの気付きを得て、スキルアップが図れるように設定している」と説明した。

 また、資格は、会社が指定した資格の取得費用や奨励金の支給でバックアップしている。施設の維持管理や保全、設計などでは、さまざまな資格が必要とされるが、2019年3月末時点で社内の資格保有者は合計5715人となっている。

 3つ目のeラーニングは、年約35の講座を開催し、分野は建設業法や電気設備関連、コンプライアンスなど多岐にわたる。技術の基盤となる知識の獲得、法令順守への意識付けなどを目的に、テーマを設定して行われている。

 この他、より学習を深める場として「メックステクニカルカレッジ」と呼ぶ仕組みも整備されている。メックステクニカルカレッジでは、建物の維持管理技術者、保全工事技術者、ライフサイクルコンサルトに求められる要素を4つのレイヤーに分類し、初級、中級、上級の3段階のステップを設けている。

 4つのレイヤーとは、技術レベル、技術資料、研修、資格で、社員のそれぞれのポジショニングを明確にして、長期的なキャリア形成のベースとなる研修プログラムCDP(Career development program)を作成している。

4つのレイヤーで構成される「メックステクニカルカレッジ」
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